2022.05.16
建築業界動向

【住宅トレンド】知っておきたい、新・省エネ住宅「ZEH」社会問題を解決するエコ住宅とは?

「ZEH(ゼッチ)」という言葉を耳にした事はありますか?

「新しい省エネの家」と言われる「ZEH住宅」。今回はこの「ZEH住宅」のメリットや可能性について理解を深めていきましょう。

ZEHとは

ZEH(ゼッチ)とは、「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を省略した用語です。「家庭が1年間で消費するエネルギーの量を実質的にゼロ以下にする家」の事を意味しています。

米国では2008年頃から注目されていましたが、日本でも2014年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で「2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHを目指す」と定められました。

また、大手ハウスメーカーなどが2016年に一斉にZEH住宅を発表した事でも、注目を浴びはじめました。

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消費エネルギー量ゼロをどう実現するか

「消費エネルギー量が実質的にゼロ」の家を実現するには、どのような方法があるのでしょうか。

発電・蓄電

太陽光発電などでエネルギーを創り出し、創り出したエネルギーを蓄える蓄電システムなどを導入して家庭で使用するエネルギー量のバランスを取ります。

新築時には初期費用0円で発電システムを導入できたり、月々のリース料金の負担を減らすプランを用意している企業もあります。

断熱性・設備の効率化

エネルギー量を減らすためと言っても、暑さや寒さを我慢させるといった室内環境を保てない住宅では意味がありません。
エネルギーの削減と快適さを同時に実現するには、断熱性の向上や設備の効率化が求められます。

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ZEHが注目される理由

なぜ、ZEHはこれほどまでに重要な目標とされているのでしょうか。

光熱費の削減

経済産業省による平成28年度エネルギーに関する年次報告で、家庭部門のエネルギー消費量が増加傾向にあり、日本国内の全エネルギー消費量のうち実に13.8%を占めるようになった事が注目されました。

家庭部門のエネルギー消費量増加の背景には、生活の利便性・快適性を追求したライフスタイルの変化、世帯数増加等の社会構造変化の影響があると考えられています。
そのため、住宅の省エネ化が進めば社会的なエネルギー消費問題の解決に大きな効果を生み出せるのではないかと期待されているのです。

災害対策として

日本のように災害が多いとされる国にとって、当然ながら災害対策は非常に重要視されます。

例えば太陽光発電を取り入れた住宅では光熱費を下げられることがメリットですが、その一方で停電の際にも電気の供給が可能であることから災害対策として有効であるとも考えられています。

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健康を守る

住宅の高断熱化には快適さだけでなく、例えば温度差のある部屋間の移動によって起こりやすいとされるヒートショックのリスクが低減されるといった健康に関するメリットがあります。

その他にも、音や振動を軽減して睡眠障害やストレスを防止したり、防カビ防虫によってアレルギー疾患を防ぐ効果も期待されています。

24時間の計画的な換気を実現するシステムは人や動物を汚染物質や有害物質から守り、ハウスシック症候群の防止になると考えられています。

このように住宅の機能が心身の健康維持につながり病気にかかりにくくなれば、医療費の軽減まで期待できると話題になっています。

高齢者に限らず広い年齢層で健康に対する意識が高まっている現代において、ZEH住宅の健康効果は誰もが注目する大きなメリットかもしれません。

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顧客にアピールしやすい

これまで「省エネルギー基準」を満たす住宅が「省エネ住宅」とされていましたが、高断熱化については既存の「省エネルギー基準」よりも厳しい「ZEH基準」が新しく定められました。「ZEH」はこの厳しい新基準を満たした住宅のことです。

このような基準は購入者にとって大きな魅力の一つとなり、安心感や信頼感にも繋がる事が予想されます。そのため、ハウスメーカーや工務店にとっては自社のZEH商品を持つことが顧客へのアピールのひとつとして力になるのではないかと考えられます。

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補助金の活用

ZEH住宅はどうしても割高になりやすいため「顧客にとって敷居が高くなってしまうのではないか」といった懸念があるしれません。その問題の解決として、初期費用の負担を減らせる国や自治体の補助金が存在します。
交付要件を満たす住宅には一戸あたり定額75万円が補助されたり、補助対象のシステムを導入した場合に加算されるものもあります。

また、国土交通省では「中小工務店等が連携して建築するZEH」「ZEHの施工経験が乏しい事業者に対する優遇」として予算を確保しています。

出典| 国土交通省「ZEH、LCCM住宅関連事業(補助金)について」

需要の高まる「ZEH」住宅

歴史としては新しい「ZEH」住宅ですが、エネルギー消費・防災・健康といった社会的に重要度の高い問題に対してアプローチできるといったメリットから、大変大きな注目を集めています。

環境にも経済にも良い効果が期待できる「ZEH」住宅の需要は、今後ますます高まっていくのではないでしょうか。