科学的に行動する”セルフコントロール”で一流の行動力が手に入る
「今日はたっぷり勉強するぞと思っていたのに、なんだかんだで夕方になってしまった。」
「今日はバリバリ、前倒しでタスクを完了させるぞ!と思っていたけれど、結局それほど終わらなかった。」
「資格取得を目指したけれど、なかなか時間が取れず挫折した。」
自分の思い描いた通りに行動ができず、落ち込んだり悩んでしまう人は多いのでは無いでしょうか。
「強い意思を持って心に決めた…はずなのに。」と、自分は行動できない人間なのではないかと、自己嫌悪を感じることさえあるかもしれません。
一流の行動力が身に付くと話題の「セルフコントロール」を聞いた事がありますか?
やる気や気合いでは無い科学的アプローチで行動できるようになる、誰もが実践可能な方法です。
目次
セルフコントロールとは
セルフコントロールとは、誘惑や衝動に流される事なく自己の意思で思考・行動ができるためのプロセスです。
マシュマロ実験
セルフコントロールの代表的な実験に「マシュマロ実験」があります。
マシュマロテストとも呼ばれ、スタンフォード大学の心理学者・ウォルター・ミシェルが1960年代後半から1970年代前半にかけて実施しました。
(pixabay)
最初の実験
最初の実験は、7歳から9歳の子供たち53人に対して行われました。
子供たちは2つの選択肢を与えられます。1つは「今すぐに1セントのキャンディをもらう」、もう1つは「1週間後に10セントのキャンディーをもらう」というものです。(「マシュマロ実験」と呼ばれていますが、実際にはキャンディやクッキーなどが代わりに使われる事も多くありました。)
この実験では民族や年齢による選択差が明確に示され、経済環境による違いは無かったとされています。
スタンフォード大学での実験
スタンフォード大学での実験では、学内の付属幼稚園の4歳の子ども186人が参加しました。(最終的にはこの実験に600人以上が参加したとされています。)
子どもは机と椅子だけが置かれた部屋に案内されます。机の上の皿にはマシュマロがひとつだけ載っており、実験者は用事があると子どもに伝えた上で「マシュマロは君にあげるが、もし私が戻ってくるまでの15分間食べずにいたら、マシュマロをもう一つあげよう。」と提案します。
ほとんどの子どもが15分間様々な方法でマシュマロを食べずに待とうと努力しましたが、最終的に最後まで我慢をして2つのマシュマロを手に入れたのは1/3ほどに留まりました。
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セルフコントロール能力が高い人の傾向
様々な実験などから、セルフコントロール能力が高い人は高い知性を持ち、仕事や勉強の成績のみならず人間関係でも成功を収めやすい事が徐々に明らかになっていきました。
また、不安やうつ、神経症や依存症の問題を抱えにくく精神的にも安定している傾向にあると分かったのです。
セルフコントロールの例
セルフコントロール能力を高めるには、どのような方法があるのでしょうか。
様々な方法の中から、日常に取り入れやすい例をいくつか見てみましょう。
香りで感覚を呼び覚ます
英サセックス大学の研究者達による研究で、レモンの香りを嗅いだ被験者は「体が軽くなった」と話し、バニラの香りでは「体が重くなった」と感じたと言います。
嗅覚は喜怒哀楽や記憶の領域と強くつながっていると言われているため、香りをセルフコントロールに活かすことは現実的だと言えるのです。
ただし、人によって好き嫌いや相性があるため、複数人で同じ香りを活用するのは避けるべきでしょう。
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マインドフルネス
不眠の改善・ストレス解消・集中力の向上などに効果的と言われるマインドフルネスも、セルフコントロールに有効とされています。
マインドフルネスとは端的に言えば「今に集中すること」です。
瞑想と混同されがちですが、マインドフルネスは「今に集中する状態」のことを指しています。
目を閉じて自身の呼吸に集中してみるといった方法もありますが、例えばコーヒーを飲む時に、敢えて片手間に飲まずに香りや味に集中してみる、といった事もマインドフルネスに含まれます。
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目標のブレイクダウン
目標達成までに必要なステップを細かくブレイクダウンする方法も有効です。
例えば資格取得を目指す際などに、「テキストの1章を今月中にやる」というステップからさらに「そのためには今週中に10ページ」「今日は1〜2ページ」と、できる限り小さな目標までブレイクダウンします。
目標達成までに必要な行動を明確化して自覚できるため、セルフコントロール能力アップや習慣化に役立ちます。
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まとめ
「セルフコントロール」を日常に取り入れると、気合い根性だけに頼らないアプローチで行動力アップが可能になるでしょう。習慣を変えて成果を出すための一つの方法として、取り入れてみると良いかもしれません。