2022.03.30
コラム

【エッセンシャル思考 Vol.1】
「やるべき事が多すぎる」業務過多から解放される、有名CEOの思考法

「エッセンシャル思考」とは端的に言えば「やることを最小に、成果は最大に」といった思考・技術の事です。

次のような悩みを解決して人生に成功と幸せをもたらすと言われ、長く注目され続けています。

・とにかく、やるべき事が多い

・優先順位を意識しても時間に追われてしまう

・自分の人生にとって大切な事が置き去りになっている

今回はこのエッセンシャル思考を「業務過多の悩み解決」の視点から紹介したいと思います。

 

エッセンシャル思考とは

そもそも「エッセンシャル思考」とは、どのようなものなのでしょうか。

(pixabay)

NYタイムズベストセラーとなって以来のロングセラー

「エッセンシャル思考」は、2014年の「NYタイムズ」「WSJ」ビジネスベストセラーとなって以来、現在も販売数やレビュー数を伸ばし続けている書籍です。

紙・電子書籍ともに人気を集めており、Amazonのレビュー数は2800件を超え、高評価を獲得しています。(2022年3月30日時点)

著者について

「エッセンシャル思考」の著者グレッグ・マキューン氏は「THIS Inc. 」というシリコンバレーのコンサルティング会社のCEOで、執筆活動の他に世界中で講演活動をしており、AppleやGoogle、Facebook、Twitter等の有名企業にアドバイスもしている人物です。

 

“業務過多の悩み解決”の視点で見る、エッセンシャル思考

それでは「エッセンシャル思考」が一体どのような思考法なのか、その特徴について「業務過多の悩み解決」の観点から見てみましょう。

(pixabay)

優秀な人ほど陥りやすい、成功のパラドックス

「エッセンシャル思考」の中の特徴的な考え方のひとつとして「成功のパラドックス」があります。

これは成功を求めて実現した先に起こる奇妙な現象で、4つの段階があります。

(RFCパートナーズ株式会社)

成功へと突き進む

「成功のパラドックス」の第一段階では、成功に向かうために目標を掲げ突き進みます。

これは、向上心が強く自発的に考えて行動できるタイプの人が、仕事に邁進する際に最初にとる行動でしょう。

理想、使命感、情熱など様々な動機があると考えられますが、一定の成功に向けて努力を積み重ねます。

(pixabay)

成功した先の「頼れる人」という評価

第二段階は、目標へと突き進み一定の成果を上げたことで増える「頼まれごと」です。

周りの人から「この人は仕事ができる優秀な人だ」という評価が向けられ、「頼れる人だ」と思われた結果、仕事を振られる機会が増えていきます。

自分の成果が周囲に認められたと実感できるので、良い評価を得られて嬉しい気持ちになるかもしれません。

 

消耗、疲労、終わらない業務

第三段階では抱える仕事が増加した結果、やがて業務過多に陥ります。思わぬ形で時間や労力が消費され、結果が伴わなくなってくる場合もあるでしょう。

時間に追われるようになり心身ともに消耗し疲労が蓄積されていきます。この時には「これで良いのか」と、疑問や悩みが生まれているかもしれません。

(pixabay)

やるべき事ができない日々

第四段階では、多忙を極めた日々が続く事によって自分が本来やるべきと考えていた大切な事が置き去りとなります。

成功を求め突き進んだ時には見えていたはずの道筋も、この時には見えなくなってしまうでしょう。

「他にやるべき事がある」と感じる日々に、大きな不安を抱えたりストレスを感じるかもしれません。

 

選ぶことを忘れる「学習性無力感」

「他にやるべき事があるのではないか」「これで良いのか」と疑問を抱いても、どうすればやるべき事が出来るようになるのか、その方法が見えてこないと感じる人は多いかもしれません。

なぜ、やるべきことやるのが思いの外難しいのでしょうか。

この問題を考える際に非常に興味深い心理学実験があります。心理学者のマーティン・セリグマンとスティーブン・マイヤーによる「学習性無力感」についての有名な実験で、「エッセンシャル思考」の中で紹介されています。

(pixabay)

3つのグループの犬と、電気ショック

セリグマンとマイヤーは、3つの犬のグループを作りました。A・B・Cそれぞれのグループの犬は繋がれて逃げる事ができません。

AとBのグループには電気ショックを与えますが、グループAは電気ショックを与えられても特定のパネルを踏むと電気ショックが止まります。

グループBはパネルを踏んでも止まりません。

グループCは、つながれているだけで電気ショックは与えられません。

 

「逃げる」という選択肢を忘れたグループ

その後、セリグマンとマイヤーは3つのグループ全ての犬を小部屋に連れて行きます。

その小部屋は飛び越す事が可能な高さの壁で仕切られており、片方の床だけ電気ショックが流れます。

すると3つのグループのうち、B(パネルを踏んでも電気ショックが止まらなかったグループ)だけが、壁を飛び越えて電気ショックの床から逃れる行動を取らなかったのです。

グループBは「何をしても無駄だ」と学習した結果「逃れる」という選択肢の存在自体が見えなくなってしまったと言えるでしょう。

 

経験から生まれる「無力感」

成功や幸せを求めて努力を重ねた先で「報われない」と感じて「努力しても無駄だろう」と学習し、自分にあるはずの選択肢が見えなくなる。このような状況は大なり小なり現代の人間社会を生きる人々にとって少なくない事なのではないでしょうか。

挫折に疲れた人にとって「選択する力を得る」という事は、まず「選ぶこと・選べることを思い出すこと」から始まると言えるかもしれません。

(pixabay)

もしも選択する力を放棄すれば、自分の人生の選択を決定するのは他人という事になるでしょう。その結果、一生懸命に幸せに向かっていたつもりが気がつけば他人にとって都合の良い人生を生きていた、という事になるかもしれません。

 

やるべきでない事から離れ、やるべき事に向かうには

「成功のパラドックス」「学習性無力感」を通じて、やるべきでない事から離れてやるべき事に向かう重要性や、見えなくなった選択肢に気付ける可能性について理解が進んだと言えますが、それでは具体的にどのような方法で実践するのでしょうか。

「エッセンシャル思考」コラムの第二回で、やるべきでない事からの離れ方について見てみましょう。

 

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