2022.04.07
コラム

【エッセンシャル思考 Vol.3】
業務が減るのに評価は上がる!?
「やるべきか、断るべきか」の判断基準と実践の注意点

今回は「エッセンシャル思考」コラムの第三回です。

このコラムでは、ベストセラーの「エッセンシャル思考」を「業務過多の悩み解決」の視点で見ていきます。

シリーズ完結編の第三回では「やるべきかどうか」の判断基準の設け方を良い例と悪い例とを踏まえながら紹介します。

また、エッセンシャル思考を実践するに当たっての注意点についても見ていきましょう。

 

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90点ルール

「エッセンシャル思考」の特徴的な考え方のひとつに「90点ルール」があります。

このルールでは「良い」選択肢かどうかを点数で採点して、合格点以上のみを採用します。「良い」か「それ以外」かで判断をして、「悪くない」選択肢は思い切って捨てるという思考法です。基準は選択肢を100点満点で評価します。そして90点未満の選択肢は全て0点とします。

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“絶対にイエスだと言いきれないなら、それはすなわちノーである”

引用|エッセンシャル思考–p.129

 

「90点ルール」は初めて耳にすると随分と極端な考え方に感じられるかもしれません。このルールの良さは明確な基準があることで、まず選択する事そのものに生じる労力やストレスが軽減される効果が期待されます。「イエスというべきか、ノーというべきか」を迷う時、人は相当の時間と労力をかけています。そういった負荷を大きく削減できるという感覚でしょう。

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「悪くない」すなわち妥協した選択肢を完全に手放す事で「本当に重要なやるべき事」が明確になり、やるべき事にしっかりと注力できるため、必然的に大きな成果を収められる可能性が高まるという思考です。

非エッセンシャル思考の典型「努力と根性が成果に繋がる」

エッセンシャル思考の対極にある思考を「非エッセンシャル思考」とした場合に、「非エッセンシャル思考」の典型的な考え方のひとつが「成果を収めるためには努力と根性が必須」というものです。エッセンシャル思考では「努力や根性がいらないような仕組み作り」に重きを置きます。

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両者の違いが何かを考える時、例えば散らかった家を想像してみましょう。部屋を片付けようとする時に「非エッセンシャル思考」なら気合いで終わらせようとするでしょう。「エッセンシャル思考」では、普段の物の位置や出し入れのしやすさをチェックして不用品を定期的に処分しやすい仕組み作りに労力を割きます。

気合いで終わらせた片付けは大きな労力を費やすもののまた散らかって、気合いでの片付けを繰り返すような事態が想定されるでしょう。一方、そもそも散らからない仕組み作りに成功した人は部屋の片付けに追われる事自体が減少します。

非エッセンシャル思考の典型その2「5分もあれば着くだろう」というバッファ不足

もうひとつ「非エッセンシャル思考」の典型的な例として「好条件下で見積もりを出す」ことが挙げられます。例えば車でどこかへ出かけるシーンを想像してみましょう。「非エッセンシャル思考」での見積もり方は、ルート検索をした結果を見て「〇〇分あれば着けるだろう」という希望的観測で考えるような方法です。

それに対して「エッセンシャル思考」では、時間帯による混雑、もしも通過する信号が全て赤だったら、道路工事や交通規制は無いだろうか、というように「最悪の条件下で算出する」方法です。

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エッセンシャル思考では「バッファ」を重要視しています。「バッファ」は「余裕」という意味で使われるようになったビジネス用語のひとつです。

やるべき事に対してバッファを取れば思わぬアクシデントが発生した場合にも「手が回らない」といった事態を防ぎ、十分な成果を出せる確率は圧倒的に高まるでしょう。

業務過多に陥ってミスやクオリティ低下が引き起こされれば仕事で大きな成果を収められなくなるため、バッファ不足に細心の注意を払うべき、という考え方はエッセンシャル思考の特徴のひとつです。

エッセンシャル思考がもたらすメリット

「業務過多の悩み解決」の視点で見てきたエッセンシャル思考ですが、実践した場合のメリットを整理してみましょう。

業務は減るが、成果や評価は大きくなる

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エッセンシャル思考の実践による最大のメリットは「業務の負担が軽くなるにも関わらず、収める成果は大きくなる」という点でしょう。

自分の理想や意思と離れた多忙な日々の意味に悩み「これで良いのか」と悩む事は無くなり、次々と仕事が増えるストレスから自分を開放できるかもしれません。また、周囲から「なんでも引き受けてくれる良い人」ではない敬意ある評価を得られ、やるべき事に集中できた事で成果を収めて評価がさらに良くなる可能性があります。

自分の人生を取り戻し、成功を手にする

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エッセンシャル思考の大きなテーマのひとつは「選択」ですが、人生は選択の連続です。重要な選択肢を他人ではなく自分自身が徹底して選択できる思考を持つ事で、仕事のみならず人生のクオリティアップに繋がるのではないでしょうか。

自分の過去の経験から知らず知らずのうちに見えなくなっている選択肢に気がついたり、重要な選択を誤る事なく理想とする人生を進み成功を手にできるかもしれません。

実践する際の注意点

人生に成功をもたらすと言われる「エッセンシャル思考」ですが、実践する際の注意点等はあるのでしょうか。

チャンスの見極め

「チャンスの神様は前髪しかない」という、ヨーロッパのことわざがあります。「チャンスはその瞬間に掴む必要があり、過ぎ去ってしまえばもう掴めない」という意味で使われています。

エッセンシャル思考では取捨選択の基準を厳しく設けます。そのため、やるべきかどうかの判断を迅速に行えるようになるでしょう。しかし、それは同時に相応の見極める力が求められるのではないでしょうか。

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もしもこの思考が自分にとって完全に新しいものだと感じるなら、例えばまずは生活の中の小さな選択に対して新しい基準を取り入れてみるところからトレーニングを積むと良いかもしれません。トレーニングの段階を設けることで、いざ重要な決断をする際に誤った判断でチャンスを掴み損ねないように準備できるのではないでしょうか。

断り方

エッセンシャル思考では厳格な基準で「ノー」を選択します。特に強く「ノー」を伝える習慣が無いコミュニティや人間関係において、その伝え方には一層注意する必要があると言えるでしょう。

厳しい判断基準の設定に成功すれば狙い通りの良い効果を生むと考えられますが、ひとつ伝え方を間違えれば効果が得られないだけで無く人間関係でのマイナスまで生じるリスクを含むと考えられます。このリスクを回避するためのひとつの心構えとして「選択基準」と「伝え方」とを完全に分けて考える必要があるでしょう。「明確にノーを伝える」のでは無く、明確なのはあくまで基準であり、明確に選択された「ノー」を、「良い伝え方で」相手に渡すという事を忘れてはならないでしょう。

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まとめ

業務過多の悩みを解決し、人生の成功にまで繋がる可能性がある「エッセンシャル思考」が、多忙な日々に悩む人にとって一つの助けとなるかもしれません。

向上心を持って仕事に取り組んでいたのに気がつけば「やるべきではない事」まで抱えてしまっていた…。そんな事態を未然に防ぎ自分自身の選択を大切にする考え方について、全3回のコラムで見てきました。

人生のハンドルを自分自身で握り理想の成功をもっと確実なものにするために、エッセンシャル思考の良い点を取り入れてみるのはいかがでしょうか。

 

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