2023.01.23
コラム

建築業界で独立する方法~メリット・デメリットや手順、経営形態~

将来的に建築業界で独立しようと思うものの、「一人でやっていけるのか」「具体的な方法が分からない」など、不安に思う人も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、多くの人が疑問に思うポイントを整理して、独立のイメージを明確にするために必要な情報を解説していきます。

建築業界で独立するメリット・デメリット

まずは、建築業界で独立するメリット・デメリットをしっかり整理してみましょう。

建築業界で独立する【メリット】

建築業界で独立する主なメリットは以下の4つです。

  • 仕事の自由度が増える
  • 休暇の自由度が増える
  • 収入に上限が無くなる
  • 仕事の方針を自分で決められる

大きなメリットとしては、「どれくらい働きたいか」「どれくらい稼ぎたいか」「どんな仕事をしたいか」など、希望に近く自由に働くことができる点が挙げられます。

建築業界は業務がきつく拘束時間も長い場合が多いので、自分の意思決定を軸として仕事を進められるのは大きなメリットといえるでしょう。

自宅や外出先での業務が可能になれば、場所の制約も少なくなります。また、特化して携わりたい建築物があれば、それを専門にすることもできます。

建築業界で独立する【デメリット】

建築業界で独立する主なデメリットは以下の3つです。

  • 収入が不安定になる
  • 忙しいと休暇が取れない
  • 建築設計以外の業務も増える

順調に仕事がもらえないと収入が安定せず、逆に仕事が増えすぎても休暇が取れないといった問題が発生します。

特に独立初期から事業が軌道に乗るまでは、規模や種類にかかわらず、やりたくないと思う仕事も受注しなければいけないかもしれません。

また、独立すると建築設計業務以外にもマーケティングや営業、経営についての勉強が必要になります。

従業員の勤怠管理や毎年の確定申告、事務所の備品購入などの事務作業も増えるため、計画的に進めないと業務過多に陥る可能性があります。

建築業界で独立する手順

建築業界で独立するには、具体的にどのような手順が必要なのかを解説します。

①建築の知識・経験を積む

建築家や設計事務所として独立するためには、一級建築士の登録を行うための2年と管理建築士になるための3年の合計5年間の実務経験が必要となります。

この期間で建築士として必要な知識や経験をできる限り多く積んでおき、コンセプトがはっきりした特定分野に強みを持つ会社を選ぶ事ができれば、独立後も価格競争に巻き込まれずに安定化できるでしょう。

②開業資金を準備する

建築士として働く間に、開業資金をしっかりと準備しましょう。

必要な資金は準備する業種や規模によっても変わってきます。そのため、しっかりと試算した上でトラブルがあっても対応できるように余裕を持って用意する必要があります。

また、開業時には思いがけない出費が重なる場合も多いため、万が一資金が足りなくなった時の調達方法を考えておくことも大切です。

③各種申請手続きをする

個人事業主として企業する場合は管轄の税務署に開業届を提出し、法人として開業する場合は会社を登記する必要があります。

他にも、請負金額500万円以上の仕事を受注する可能性がある場合は建設業の許可や、仕事用の銀行口座の開設、事務所の契約手続き等が必要です。

④仕事を受注する

開業してから仕事を探し始めると、仕事を探し受注してから業務を完了するまでにタイムラグがあるため現金化できるまでにかなり時間を要する、というリスクがあります。

そのため、独立の手続きを進めている間に仕事探しも始めておく方が良いでしょう。

会社員時代の人脈を使って下請けの仕事をもらったり、ホームページや広告から集客をかけるなど、下準備を進めておく事が重要です。

(pixabay)

建築業界で独立する方法【3つの経営形態】

建築業界で独立するには「個人事業主」「法人」「フランチャイズ」の3つの経営形態があります。

個人事業主

個人事業主として独立する場合は、税務署に開業届と青色申告書を提出します。

手続きに費用がかからずコスト面での負担が少ないので、一人親方として働く人や数名の従業員と小規模な経営をする人に向いているでしょう。

法人

株式会社や合同会社として法人化して独立する場合は、会社の登記や商号、資本金の決定、会社の代表印や定款の作成が必要になります。

個人事業主よりも信頼が得やすいため、例えば、金融機関から融資を受けたり、大規模な施工を請け負う場合には法人化した方が良い場合が多いです。

フランチャイズ

フランチャイズとは、加盟店として本部と契約を結びロイヤリティを支払うことで、商標の使用や商品・サービス販売の権利を得られる仕組みです。

個人が単独で開発するのが難しい商品・サービスを扱えたり、技術やノウハウの活用、仕入れや契約が楽になるといったメリットがあります。

独立に不安があるならまずは転職から始めてみよう

「仕事の自由度や収入面を考えると独立が魅力的だが、スキルや経験値的に不安がある」という場合は、転職してキャリアアップを目指すのも良い選択肢と言えるでしょう。

資金やスキル、集客力が整っていないまま独立をする事には大きなリスクが伴います。仕事が上手く捌けずに、独立前よりも生活が苦しくなる可能性もあります。

転職してキャリアアップすれば、今より高い給料で資金を溜めながら、さらにハイレベルなスキルを身に着けることができます。

また、上の立場を任せられれば、独立した後に必要なマネジメント能力を実践で鍛えることができるでしょう。

まとめ

建築業界での独立は、仕事や休暇の自由度が増したり、収入の上限が無くなるといった大きなメリットがありますが、収入の不安定さや、建築設計以外の業務が膨大といったデメリットもあります。

独立するまでには、知識や経験を積むところから始まり、開業資金の準備や各種申請手続き等、いくつかのステップを踏まなければなりません。

独立する方法には、個人事業主、法人、フランチャイズと様々な経営形態がありますが、いずれも着実な準備が必要なため、スキルや経験に不安がある場合には転職によるキャリアアップ も検討する方が良いでしょう。

【参考サイト】
https://kensetsu-gyokai.com/kenchikushi-dokuritsu/
https://iezukuri-business.homes.jp/column/independent02
https://mirai-style.net/column/21463/
https://tsukunobi.com/columns/Architecture-Independence
https://design-keiei.net/architect-profile/
https://www.g-career.net/columns/detail/113
https://yaotfc.com/independence/
https://mynavi-agent.jp/knowledge/realestate/955.html
https://www.gaiheki-8.com/blog/1425/