2022.09.05
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リカレント教育とは?簡単に、分かりやすく

厚生労働省によるとリカレント教育とは「仕事で求められる能力を磨くための、社会人の学び」のことを指します。「学び直し」とも表現され、厚生労働省・経済産業省・文部科学省が連携して支援に取り組んでいます。

リカレントの意味

「recurrent(リカレント)」は様々な日本語に訳されますが、「リカレント教育」に関する意味としては「再帰」や「回帰」が適切かと思われます。

リカレント教育の意味を簡単に説明すると

リカレント教育は、学校教育から離れた社会人が行う学びのことです。「社会に出た後にも、継続して学ぶ事が必要だ」という考えに基づいた、人材育成に非常に近い概念です。

ひとつの重要な特徴として、生涯学習のような「生きがい」を目的にした学びではなく、「仕事に必要な能力を伸ばし磨くこと」を目的とした学びを指します。

(pixabay)

なぜ?リカレント教育が重要な理由

リカレント教育が重視される理由は、いくつか挙げられます。

終身雇用の終わり

かつての日本で当たり前とされていた「終身雇用」の時代が終わりを迎えて、生涯で一社に勤め続けるよりも転職や独立を考える人が増加しています。

企業にとっては、優秀な人材が待遇ややりがいの面で希望に合う仕事を求め去っていく可能性が高まります。職場でリカレント教育を実施すると企業内でスキルアップやキャリア形成ができるようになり、人材の定着に繋がります。

人生100年時代のキャリア形成

平均寿命が延び、人生100年時代と言われるようになりました。それに伴って従来の人生設計が通用しなくなっています。

働く期間が長くなるため、継続したスキルアップ・学びがますます重要になりました。働く人が学んで変化しながら、時代の変化に柔軟に対応して仕事を続ける必要があります。

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リカレント教育のメリット・デメリット

リカレント教育のメリット・デメリットを、従業員と企業それぞれで見てみましょう。

企業にとってのメリット・デメリット

従業員が時代にあった知識やスキルを習得するので、企業にとっては自社の商品やサービスの質が向上して収益や生産性のアップが見込めます。

また、「今の職場では知識やスキルを生かせない」と感じることによる人材の流出を防ぎ、従業員の定着率をアップさせる効果も期待できます。

その一方で、デメリットはやはりリカレント教育の実施にかかるコスト面だと言えます。

従業員にとってのメリット・デメリット

新しい知識やスキルの習得によって高度な業務に携われるようになり、昇給のチャンスも巡ってきます。

また、日々仕事で忙しい社会人にとって学び直しや新たなスキル習得は

意外とハードルが高いものです。仕事と両立して学べる形態のリカレント教育は大きなメリットとなるでしょう。

その一方で、一定期間まとまった時間を必要とする学び直しの場合、リカレント教育が広く浸透していない日本においては学び直した時期が「空白期間」と見なされてしまうリスクがあります。

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リカレント教育の給付金や助成金

リカレント教育に関する給付金・補助金には「労働者の主体的な学び」と「事業主による人材育成」のそれぞれに対して支援制度があります。

「労働者の主体的な学び」への支援

労働者向けの支援では「教育訓練給付金」「教育訓練給付金」「キャリアコンサルティング」があります。

教育訓練給付金

対象講座を修了した場合に、自ら負担した受講費用の20%~70%の支給が受けられます。

専用ウェブサイトで対象講座を探すことができます。

教育訓練給付制度|厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム

高等職業訓練促進給付金

ひとり親の方が看護師等の国家資格やデジタル分野等の民間資格の取得のために修学する場合に、月10万円の支給が受けられる制度です。(住民税課税世帯は月7万5千円、修学の最終年限1年間に限り4万円加算。)

キャリアコンサルティング

今後のキャリアなどについて、キャリアコンサルタントに無料相談ができます。(オンライン相談も可能。)厚生労働省委託事業の「キャリア形成サポートセンター」から申し込みが可能です。

「事業主による人材育成」への支援

事業主向けの支援では「人材開発支援助成金」「生産性向上支援訓練」「企業内のキャリアコンサルティング(セルフ・キャリアドック)」があります。

人材開発支援助成金

事業主が従業員に対して職務に関連した訓練を実施した場合や、新たに教育訓練休暇制度を導入して教育訓練休暇を与えた場合に、訓練経費や制度導入経費等の助成が受けられます。

eラーニングによる訓練及び通信制による訓練の場合も経費助成が受けられます。

生産性向上支援訓練

在職者を対象としてカリキュラムが用意されており、座学と演習を組み合わせた訓練を実施します。

具体的には「生産管理」、「IoT・クラウド活用」、「組織マネジメント」、「マーケティング」、「データ活用」などがあります。

受講料は訓練時間数に応じて、受講者1人あたり3,300円~6,600円(税込)、 「IT業務改善」の訓練分野については、2,200円~4,400円(税込)です。(令和4年8月時点)

独立行政法人の高齢・障害・求職者雇用支援機構では、活用事例集のデジタルブックも公開されています。

企業内のキャリアコンサルティング(セルフ・キャリアドック)

企業内のキャリアコンサルティングの導入に向けて、無料でキャリアコンサルタントによる試行的なキャリアコンサルティングや相談支援を受けることができます。

厚生労働省委託事業の「キャリア形成サポートセンター」から申し込みが可能です。

まとめ

雇用のあり方や技術革新が大きく変化している現代において、リカレント教育は個人・企業ともに求められている取り組みです。

支援制度を活用しながら、会社内での制度化や個人の学びの取り組みを進めていきましょう。