2021.12.09
働き方

【人材育成】OJTとOFF-JTを使いこなして、社員教育を効率良く

新入社員を迎え入れた際に、人材教育として「OJT」を行なっている企業も多いのではないでしょうか?
最近では、「OJT」は現場の負担が大きいことや、仕組み化されておらず教育担当者によってバラつきが出てしまうなどの問題から、「OFF-JT」にも注目が集まっています!

本記事では、「OJT」と「OFF-JT」のそれぞれの特徴や、建設業において「OJT」だけでは上手くいかない理由について解説していきたいと思います。

(pixabay)

1.OJTとOFF-JTの違いとは?

人材育成の方法として聞き慣れた「OJT」は(On-the-Job-Training)の略で、実際に業務を通して教育する方法を指します。
反対に「OFF-JT」は、現場から離れたところで行う座学や集合研修を指し、業務に必要な知識をインプットする教育となります。

厚生労働省が公表した「能力開発基本調査」によると、OJTを重視している割合が「重視しているに近い」を合わせると、75%を占めていることが分かります。
それに比べ、OFF-JTを重視している割合は24%にとどまりました。

厚生労働省「能力開発基本調査」をもとにRFCパートナーズが作成

2.OJTのメリット・デメリット

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多くの企業が行っているOJTによる教育方法ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか?

〈メリット〉

OJTのメリットとして、社員に研修を受けさせるためのスケジュール調整などの労力や、セミナー受講のコストを削減することができます。
また、実務を通して学ぶことができるため、座学では習得しにくいイレギュラーな事柄にも対応することができるようになります。そのため、即戦力となって活躍するまでのスピードが早いと言えます。
もう一つ、大きなメリットがあります。
それは、新人に対してOJTを行う立場である社員の成長にも繋がるという点です。今までなんとなくこなしていた仕事も人に教えることで、理解を定着させることができます。

〈デメリット〉

OJTのデメリットで多く挙げられるのは、教える側の負担が大きいことです。OFF-JTのように研修として通常の業務とは別で時間を設けるわけではないため、業務が多い繁忙期と入社が重なってしまった場合などは、教える側の社員の負担が増えてしまいます。OJTを担当する社員には評価項目などを工夫する必要があるでしょう。
また、OJT担当者の能力によっても部下の成長スピードにばらつきが出る点もデメリットと言えるでしょう。

3.OFF-JTのメリット・デメリット

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〈メリット〉

OFF-JTは、実務から別で学ぶ時間枠を設けるため、集中して知識を身につけることが可能となります。
特に、専門知識や技術が必要な業界にはOJTよりOFF-JTの方が合っていると言えるでしょう。また、外部講師を招いての合同研修など、OJTと違って教える社員の能力によって差が出ない点もメリットです。

〈デメリット〉

集中して知識が習得できるOFF-JTですが、デメリットもあります。通常の業務と同時並行で行われるOJTと比べ、研修を行なっている時間は、仕事を進めることができなくなります。また、外部講師を招くためのコストや、研修やセミナーのスケジュール調整などに労力がかかることもデメリットと言えます。

4.建設業がOJTだけじゃ上手くいかない理由

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もともとOJTの教育がメインとなっている建設業界ですが、現場では慢性的な人手不足が問題となっています。そのため、OJTを実施したくても中堅社員の不足や、仕事を進めながら教育も同時に行うということは大変難しく、新人が放置されてしまうことも珍しくありません。

建設業界は専門用語や知識も多いため、OFF-JTでまず土台を学んでからOJTに入り効率的で効果的な教育がおすすめです。

5.まとめ

本記事では、「OJT」・「OFF-JT」それぞれのメリット・デメリットについてご紹介しました。
建設業界において、人手不足を解消するためには企業規模に関係なく、一人ひとりの生産性高め成長させることが重要です。OJTとOFF-JTどちらかだけで人材の成長を図ることは難しいですが、二つを組み合わせることでお互いのデメリットを補い合うことが可能です。