2022.08.15
コラム

「Z世代」攻略法。特徴を把握して効率的なマネジメント

部下とのコミュニケーション、世代によって変化させていますか?
部下は部下だからと全員に同じ対応をしていると、組織づくりに失敗するかもしれません。

今回は、いま注目される「Z世代」の持つ特徴と、適切なコミュニケーションの取り方をご紹介します。
新入社員と関わる機会がある方は、ぜひ参考にしてください!

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「Z世代」とは?

「Z世代」という言葉は聞き慣れていても、イマドキの若者ぐらいの認識で終わっている方もいるのではないでしょうか?

「Z世代」とは、「GenerationZ(ジェネレーション・ゼット)」とも呼ばれ、11歳〜25歳までの世代を指します。(2022年現在)『さとり世代』にも該当するのがこの世代になります。

なぜ『Z』?

下の図の通り、「Z世代」の前に「X世代」「Y世代」があります。X、Y…その続きで『Z』となりました。

最初の「X世代」という言葉が生まれた理由は、2つあります。

①1950年代に、第二次世界大戦後に成長した若者らをテーマにしたフォトエッセイのタイトル「Generation X」に由来。
②1991年に出版された小説『ジェネレーションX~加速された文化のための物語』が大ヒットし、言葉が世の中に広く浸透。

「Z世代」仕事に対する価値観とは?

Z世代は、仕事に対する価値観も他の世代と大きく違います。

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安定思考

「Z世代」は生まれた時から不景気な時代を過ごしてきたことや、スマホネイティブ世代と言われるように、いつでもどこでもスマホで容易に情報を取り入れることができる世代であるため、『現実主義者』が多いです。

昔は若者に「苦労は買ってでもしろ」なんて言うことがありました。しかし、Z世代においては、全くの逆でなるべくリスクを避けてほどほどの成果が得られればいいと考えます。

転職・副業に前向き

「定年まで勤め上げる時代は終わった」と世間で言われるように、Z世代は転職に対して非常に前向きであると言えます。
デロイトトーマツが2019年に実施した、Z世代の転職に対する意識調査の結果を見ると明確です。5年以上今の会社に勤めるかという問いに対して、「YES」と答えた割合はわずか10%にとどまりました。

引用:2019年 デロイト ミレニアル世代の意識調査(日本版)

自分の時間を大事にしたい

昔は、多少勤務時間が長かったり、仕事内容がキツくても『高収入』であることが、ステータスでした。しかし、だんだんと仕事探しの基準として『ワークライフバランス』というワードが当たり前になっています。
給料はそこそこでいいから、『土日祝休み・残業無・自由な働き方ができる』という条件を求めるように価値観は変化しています。

「Z世代」が退職する理由

Z世代は価値観の多様化、新たな経験を得ることができる『転職』をポジティブに捉えているため、退職しやすい傾向があります。Z世代が退職を決める理由は複数ありますが、ここでは2つご紹介します。

働き方の選択肢が少ない

自由な環境で働きたいという意識が強いZ世代は、リモートワークやフレックスタイム、副業など自分自身で働く環境を選択したいと思っています。
例えば、コロナが収束したからといって、強制的に出社を強いられたりすると、もっと自分に合った働き方ができる会社があるのではないか?と考え退職につながってしまうケースがあります。

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評価制度が不透明

Z世代は、すべての場面で平等性を求めています。そのため、男女で昇進スピードに差があったり、公平性のない不透明な評価制度に敏感です。また仕事量と給与が見合っていないと感じた場合も退職を考えるきっかけとなります。

「Z世代」部下とのコミュニケーションで気をつけるポイント

世代に合ったコミュニケーション方法を取っていますか?Z世代は“自分らしさ”や“自分の価値観”という点を非常に大事にしています。では、実際にどのようなコミュニケーションを取るべきなのでしょうか?

選択肢を与える

物心ついた時からスマホが身近な存在で合ったこの世代。さまざまな情報をSNSやYouTubeでインプットしています。
自社以外の情報も得られるため、キャリアアップや働き方もたくさんの選択肢の中から“自分で選びたい”と考えています。

目的を伝える

がむしゃらに働くことが当たり前という時代もありましたが、Z世代においては“タイムパフォーマンス”を意識して効率よく働くことを重視しています。そのため、仕事の意義や目的が分からないまま進めることにストレスを感じます。
また、Z世代は「自分の職業を通じて社会の役に立ちたい」という気持ちが強い傾向にあります。指示を出す際は、その仕事をすることで会社または社会にどのように貢献しているかという点を伝えるといいでしょう。

日常の中で小さな賞賛を

Z世代は他の世代と比較し、SNSの流行もあり承認欲求が強い傾向にあります。

しかし、イマドキの若者は表彰式のように大勢の前で賞賛されることよりも、業務中のちょっとした褒め言葉や“ありがとう”など、SNSの『いいね!』のような日々の小さな賞賛の積み重ねがモチベーションにつながりやすいようです。

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まとめ

Z世代はコロナ禍での厳しい就活を経験している世代でもあります。採用枠が減少している中で、そもそも希望する就職先にならなかったと後悔している人も少なくありません。せっかく自社に入社してくれた社員が早期で退職してしまわないように、特徴に合わせたコミュニケーションでZ世代との関係を深めていきましょう。