【世界最高の話し方 Vol.3】 周りを熱狂的なファンにする、カリスマリーダーの「魅せ方」
今回は「世界最高の話し方」コラムの第三回です。
このコラムでは、世界のCEOや幹部、経営陣のスピーキングコーチによる著書「世界最高の話し方」を元にしたコミュニケーションスキル向上のノウハウを紹介します。
第一回ではグローバルエリート達の「賞賛力」について、第二回では「説得力」について理解を深めました。今回はカリスマ的な魅力で周りをファンにしてしまう「魅せ方」に注目してみましょう。
目次
誰もが今すぐできる、自信の生み方
カリスマ的な魅力に欠かせないのは、まず「自信」でしょう。どれだけ能力が高かったとしても自信なさげに振る舞っていれば、周りからは「なんだか頼りなさそう」「大丈夫なんだろうか」と、魅力どころか不安に思われてしまうかもしれません。
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「自信を持っても良い基準」
「自分はそれほどのものではない」といった謙遜する態度は、日本人にとっては一つの伝統であり美学であるかもしれません。
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しかし、実際には能力によって自信を持てるかどうかが決まるわけではありません。
例えば、周りの人が「あの人は本当に優秀だ」と思っていても本人は自信が持てていないケースもあれば、反対にミスが多くて周りが不安がっていても本人は自信満々という場合もあるのではないでしょうか。
「自信を持っても良い基準」というのは非常に曖昧であり人によって異なるため、明確な基準はそもそも存在しないと言えるでしょう。
笑顔を作った時に起こる脳の変化
多くの人は「感情」がある事で「表情」が作られていると考えているかもしれません。
しかし、感情と関係なく「表情」を作っても脳に変化が起きる事をご存知でしょうか。
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人は笑顔を作ると脳内に「エンドルフィン」と「ドーパミン」「セロトニン」という神経伝達物質が分泌される事が分かっています。各物質には次のような効果があります。
- エンドルフィン…多幸感をもたらし、モルヒネ同様の鎮痛作用がある
- ドーパミン…やる気、多幸感、ポジティブさをもたらす
- セロトニン…安心感、精神の安定、平常心をもたらす
笑顔を先に作ると多幸感をもたらす物質が脳内に分泌されて感情に影響する、というのは不思議に感じる人もいるかもしれませんね。この事を「自信を持つこと」に置き換えると「自信がある時の行動を先にする事で、心持ちが伴ってくる」と考えられるでしょう。
カリスマは「ひとときの沈黙」を大切にする
「世界最高の話し方」の著者によると、カリスマ的な魅力のある人物ほど「沈黙」を大切にしていると言います。
沈黙が魅力に繋がるとは、一体どういうことなのでしょうか。
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「filler words(フィラーワーズ)」はいらない
「filler words(フィラーワーズ)」という言葉をご存知でしょうか。会話で言葉に詰まったときに発する「えー…」「あー…」というような、間を持たせるための言葉のことを意味しています。
日常会話、会議、プレゼン、スピーチ…あらゆる場所で「フィラーワーズを使いすぎている人」が少なく無いと言います。
自分の会話中のフィラーワーズを数えてみると、もしかしたら習慣や癖のようになっていて無意識に連発しているかもしれません。
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カリスマリーダーは、とにかく間を埋めることよりも「一瞬の間」を上手に活用して話すと言います。
「一瞬の間」は「これから重要な言葉が発せられる」という感覚を人々に与えることができるため、重要な部分や聞き手の注意を引き付けたい場面では特に有効だと言えるでしょう。
「感情」と「熱気」から生み出す、目に見えないエネルギー
言葉と同等以上に「気」を大切にする。それもまた、カリスマ的な人物の共通点のひとつだと言います。
カリスマ的な魅力を持つ人物は、目の前に現れた瞬間に人々を惹きつけ圧倒するような、一種のオーラのようなものを纏っていると言えるでしょう。
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「気」が含まれる表現は「覇気」「気品」「本気」「気迫」など沢山あります。
「世界最高の話し方」の著者はその体験から、優秀なリーダーに見られるのが特に「熱気」であり、熱気と感情を自在に使いこなしているのだと言います。
いかなるものも「エネルギー」によって動く
当たり前の事かもしれませんが、何か物を動かす時には必ず「エネルギー」が必要ですね。
それは人にとっても同じ事です。
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つまり、人を動かせるカリスマリーダーは相応のエネルギーを発していると考えられるのです。
リーダーから発せられる「気」すなわちエネルギーは、必ず周りに影響を与えます。
もしもリーダーが生気の無い話し方や覇気のない態度をしていれば、当然エネルギーレベルは非常に低くなり、周りの人間に活動的なエネルギーを与える事は無いでしょう。
反対に、冷え切ったエネルギーが伝わっていけば低エネルギーの連鎖を起こすかもしれません。
「エネルギー」を高める方法
カリスマリーダーにはエネルギーが必要不可欠ということが分かりましたが、エネルギーレベルを上げるには一体どうすれば良いのでしょうか。具体的な方法を見ていきましょう。
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伝えるべきは言葉では無く「言葉の〇〇」である
言葉とは大変便利なものです。言葉があるから、コミュニケーションを正確に効率的に交わすことができます。
しかし、言葉はあくまでコミュニケーションのための一つの要素です。言葉の持つ意味まできちんと伝えるためには言葉以外の要素が必要です。
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例えば「嬉しい」という言葉は他者に自己の感情を伝える時に使う言葉です。「嬉しい」という言葉そのもので「嬉しい感情」を表せるように思えますが、もしも眉間にシワを寄せて「嬉しい」と棒読みすれば、相手は「嬉しい」という感情が伝わってきたとは感じないでしょう。
これは、仕事でのコミュニケーションや、プレゼン・スピーチにおいても同様です。絶対に避けなければならないのは「棒読み」であり、どれだけ優れた内容でも相手に伝える場面で「原稿を読むだけ」になれば、「言葉の意味」までは、残念ながら伝わらなくなってしまうものです。
エネルギーを伝えられる人になるには、日常の場面から常に「言葉」よりも「言葉の意味を伝える」意識を持つこと、原稿を用意したら自分の言葉にできるまで練習をすることが重要と言えるでしょう。
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動きをつける
エネルギーレベルの高いエリート達の話し声に注目してみると、自信と信頼を感じさせるような堂々とした声で話しています。
むやみに大きな声を出せば耳障りになるものですが「小さな声でボソボソと話すグローバルエリート」というのはイメージしづらいのではないでしょうか。
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声は自分でコントロールできそうなものですが、実際には例えば体が緊張状態にあると、筋肉は強張り呼吸は浅くなります。すると当然、声量は下がってしまいます。
ゆったりと堂々とした声を出すには、体をリラックスさせておく必要があると言えるでしょう。
しっかりと立ち、適度なハンドジェスチャーを入れる等で体をリラックスさせます。十分な呼吸ができる状態を作りながら、話す事が重要です。
適度に動きのある話し方は視覚的にもパワーが感じられるため、聞き手に堂々とした表現として伝わる効果も期待できます。
まとめ
今回のコラムでは、グローバルエリート・カリスマリーダーのスピーキングコーチによる書籍「世界最高の話し方」を元にして、コミュニケーションスキル向上のノウハウについて理解を深めました。
「賞賛力」「説得力」「魅せ方」をアップさせて最高の話し方に近づくノウハウは、周囲から信頼され憧れられる人物に近づく力になってくれるかもしれません。
魅力あるリーダーを目指せるノウハウを取り入れてみてはいかがでしょうか。