2022.02.05
建築業界動向

【建設業界】話題のDX推進とは?工務店にDXが必要なわけ

近年、「DX」や「DX推進」という言葉をいろんなところで耳にします。
経済産業省が推奨していることもあり、さらに注目度が高くなっています。

しかし、実際「DX」とはなんとなく理解しているけれど説明できないと言った声も多く、「 IoT」や「ICT」などの意味と混同している方もいるのではないでしょうか。

本記事では、「DX」とは何か?住宅業界においての重要性について解説していきます!

(pixabay)

1.「DX」とは?

「DX」とは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略です。
Digital Transformationを直訳すると「デジタル変容」と訳すことができ、“デジタル技術を浸透させることで、人々の生活を豊かにすること”を指します。

2018年に経済産業省が定めた「DX推進ガイドライン」では、DXについて以下のように定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」とされています。

※参考:経済産業省|DX推進ガイドラインVer.1.0

なぜ、「DT」ではなく「DX」なのでしょうか?
普通に頭文字を取ると「DT」になりますが、「Transformation」は「X-formation」と表記されるため、「DX」と呼ばれるようになりました。

2.「DX」と「 IoT」や「ICT」の違いとは?

「DX」と混同しやすい言葉とその違いを解説します。

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2-1.「 IoT」の意味

「 IoT」とは、「モノのインターネット」を意味します。様々なモノをインターネットを介し活用することを指します。例えば、IoTを活用すれば、外出先からでもエアコンの電源を遠隔で操作できたり、製品にセンサーをつけることでインターネットを介し、リアルタイムで情報を受け取ることができます。

「DX」が人々の生活を豊かにすることを指すのに対し、「IoT」は仕組みそのものを言います。言い換えると、「DX」という目的を実現するための手段と考えられます。

2-2.「 ICT」の意味

「 ICT」とは、「情報伝達技術」を指します。「IT」とほぼ同意語として使用されることが多く、人とインターネットをつなぐことで、人と人をもつなぐ技術です。
SNSや、インターネット検索などがこれに当てはまります。コロナ禍で一気に広まったテレワークも「ICT」を活用しています。

「 ICT」も「 IoT」と同じく「DX」という目的を実現するためのひとつの手段です。

3.業界別のDXの進捗状況

コロナ禍をきっかけに、様々な業界がDXを急速に進めました。建設業界は、他の業界と比較しても、DXの進捗状況は悪くありません。しかし、ハウスメーカー・工務店ではDXを積極的に進めている会社と、まだまだこれからだという会社が二分化しています。

4.工務店にも「DX」が必要?

従業員の高齢化や、業務の内容を理由にデジタル化が進みにくいとされている、工務店やリフォーム業界で「DX」が必要なわけについて解説します。

4-1.慢性的な人手不足

建設業界全体に言えることですが、工務店経営において人手不足は深刻な問題となっています。職人の高齢化に加え、労働人口の減少によって建設就業者数はピーク時の約30%減と言われています。

人手不足の状態が慢性化している状況で、安定して受注するためには、DXによって業務の効率化、生産性の向上を図ることが重要です。

業務の効率化が進むと、長時間労働の改善にもなるため、採用しやすくなるというメリットもあります。

4-2.「2025年の崖」問題

「2025年の崖」とは、経済産業省が2018年に発表したレポートの内容です。
具体的には、DXを推進しなければ、2025年に約12兆円の経済損失が出ると予測されています。

日本は、地震や災害が多く、インフラ整備に置いて建設・住宅業界は必要不可欠な存在です。このまま、建設就業者が減少していくと産業の維持も厳しくなります。安全性の確保や、技術継承の面でも、DX推進は急務と言えます。

【引用】DXレポート|経済産業省

4-3.集客向上につながる

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コロナウイルスの影響で、集客の方法も大きく変化しました。従来までは、展示場やイベントを開催することができましたが、コロナの流行とともに、バーチャル展示場やインサイドセールスなどの手段が有効となりました。DX推進に遅れをとっている工務店は、淘汰されてしまいます。

5.まとめ

建設業界は需要と供給の面から、最もDX推進が期待されています。生産性向上や顧客ニーズに柔軟に対応するためにDXは必要不可欠であるでしょう。
工務店やリフォーム業界に特化した業務管理システムを取り入れたり、2025年の崖に備えて積極的に取り組んでいきましょう。