2023.01.30
コラム

建築業界には将来性がある?【現状の課題や解決に向けた取り組み】

建築業界に就職しようと思っているものの、将来的な面でどうなのか、安定して働けるのかなど不安に思う人は多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では建築業界の将来性についての解説と、長く働き続けられるかどうかの判断に役立つ情報を整理してご紹介します。

建築業界には将来性がある?【現状の課題】

将来的にも成長が見込まれている建築業界ですが、現状では4つの課題が問題になっています。

人材不足

建設業界では1995年頃をピークに労働人口が減少しており、現在では人材不足に陥っていると考えられています。

その中でも、特に現場で働く技術者や技能労働者の人手不足が問題視されています。

高齢化

建築業界では高齢化が進んでおり、55歳以上が3割以上を占めています。そのため、若い働き手を増やさないと業界自体が年々衰退してしまう可能性があると言われています。

給与・福利厚生

建築業界は仕事内容に対して給与が低いと感じられる傾向にあります。有給が取りにくいといった福利厚生面での問題がある場合も少なくありません。

給与や福利厚生の問題点は人材離れの要因になりやすいため、早急な改善が必要とされています。

長時間労働

建築業界は人材不足の中需要が伸び続けているため、1人あたりの仕事量が多く、長時間労働を強いられる状況にあります。

そのため、残業の長さや残業代の未払いなどが度々問題になっています。

(pixabay)

建築業界には将来性がある?【課題解決に向けた取り組み】

建築業界の課題解決に向けて、既に取り組みが行われています。今後需要が増すことも含めて考えると、比較的将来が明るい業界と言えるのではないでしょうか。

働き方改革の推進

政府が行っている働き方改革により、建築業界においても週休2日制の導入や残業時間の上限設定、教育や研修制度の充実化が行われています。

この変化によって、次世代の建設業界を担う若者の参入や労働環境の改善が期待されています。

建設キャリアアップシステムの導入

建築業界を対象とした「建設キャリアアップシステム」の導入により、職務履歴や研修の受講履歴、保有資格、社会保険の加入状況などが見える化されます。

これにより建設技術者の適切な評価と賃金水準の確保、社会保険への加入推進が実現するとされています。

工期ガイドラインの策定

近年では建設業界においてもIT化が促進しています。例えば、事務作業のデジタル化、タブレットによる図面・施工管理などです。

IT化がすすめば人手不足や長時間労働、有給が取得できない問題も解消されると考えられており、業界全体の働き方が大きく改善される可能性があります。

テレワークの整備

建築業界では現場作業がテレワークに不向きなことから、オフィスワーク中心の受注業務や設計、施工管理などの業務にもテレワークが浸透しづらい面がありました。

しかし、近年では柔軟な働き方で人材を確保しようという動きがあり、建築業界においてもテレワークが整備されていくといわれています。

建築業界には将来性がある!【4つの理由】

建築業界に将来性があると考えられる、4つの理由について解説します。

新築住宅の需要が増加する

現在新築住宅の価格が上昇しており、今後も新築住宅の需要は増加していくと予測されています。

この背景には、コロナ禍におけるリモートワークの普及により、ワークスペースの確保や換気・空調システムの強化など新しい住宅のあり方が確立されたことがあります。

老朽化した建築物のリニューアルが増加する

建築物は建設から25年以上経過すると、老朽化対策として大規模な修繕工事が必要になります。

今後は、バブル期に作られた大量の建築物がリニューアルする時期になるため、建築業界の需要は増加していくと考えられています。

海外での需要も増加する

近年アジア圏では著しい経済成長に伴い建設業の需要が増加しています。

現状は、新型コロナウイルス感染症の影響で日本企業の従業員が海外に働きに出ることは難しい面がありますが、今後状況が変わると、日本でもその需要を請け負う形で建設受注実績が伸びていくと予想されています。

脱炭素化に向けた動きが加速する

政府は2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる脱炭素化を目指しています。

建築業界においても省エネ住宅の普及や二酸化炭素を吸収するコンクリートの開発などが行われており、今後は脱炭素化に向けた動きが加速していくと考えられます。

まとめ

建築業界には人材不足、高齢化、長時間労働といった課題もありますが、従来の問題は今後、働き方改革の推進やIT化によって大きく改善される可能性が高まっています。

また、今後の新築住宅の需要増加や、建築物の老朽化への対応が必要とされている事や、近年のアジア圏における建設業の需要増加、脱炭素化に向けた動きなどで、業界の将来性も期待されています。

【参考サイト】
https://www.g-career.net/columns/detail/161
https://www.oreyume.com/column/trend/23881/
https://workstyle.ricoh.co.jp/article/architecture-problem.html
https://batonz.jp/learn/8494/
https://kensetsu-kaikei.com/lab/column/trend
https://kensetsutenshokunavi.jp/c/content/chaos/intro/