建築業界のパワハラ問題【起こる理由と受けた際の対処法】
もしパワハラに悩んでいる場合は、どうすれば無くせるのでしょうか。建築業界でパワハラが起こる理由と対処法について解説します。
目次
パワーハラスメントとは?
「ハラスメント」とは嫌がらせやいじめを意味します。
厚生労働省によると、パワーハラスメントはハラスメントの中でも職場における「優越的な関係を背景とした言動」であって、「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」により、「労働者の就業環境が害されるもの」と定義されています。
建築業界では、実際に自分の会社の上司からパワハラを受けるパターンだけでなく、クライアントから明らかに無謀な工期を要求されるなどのパワハラを受けるパターンも見られます。
建築業界でパワハラが起こる理由
それでは、建築業界で起こるパワハラの理由を見ていきましょう。
常に危険と隣り合わせの環境
建築業界は危険な作業が多く、安全に対して充分な指導が必要となります。
安全管理の重大さを伝えるために指導に熱が入りすぎてしまったり、ミスに対して過剰に叱ってしまったりすることの積み重ねがパワハラに発展することがあります。
閉鎖的な空間
建築業界では1つ1つの現場が閉ざされたコミュニティになりやすい傾向があります。
建築会社の多くは常に多くの現場を抱えていますが、全ての現場を完全に管理することは現実的に難しいため、外部のチェックが働きにくくパワハラの温床になる可能性が高いのです。
元請け・下請けの構造
元請業者は下請業者に非常に大きな影響力を持っていて、その業界構造がパワハラを生むことがあります。
末端の下請業者ほど小規模で財務基盤が弱いため、特定の元請業者に依存せざるを得ず、ハラスメント被害を受けることになってしまう事があります。
男社会・高齢化社会
建築業界は男の比率が多い男社会で、現在では高齢化が進んでいます。
高齢の男性が多い職場では上下関係が厳しくなりすぎたり、大声を出したり、腕力に訴えたりといった雰囲気が生まれやすい面があり、パワハラに繋がる事があります。
(pixabay)
建築業界でパワハラを受けたときの対処法
もしも建築業界でパワハラを受けたらどうすれば良いのか、対処法を解説します。
録音・録画する
パワハラを受けたときには、パワハラがあった事実を客観的に証明できることが重要です。
実際にパワハラを受けている状況の録音・録画は証明になります。もし裁判になった場合にも、録音・録画したデータを証拠として利用することができます。
会社に相談する
パワハラを受けた事を会社の人事部や相談窓口に相談する方法もあります。この時にも、パワハラを受けた録音・録画があると便利です。
しっかりと事実を証明できるなら、会社が加害者に減給や異動といった処分を下してくれる可能性もあります。
また、クライアントからパワハラを受けた場合は、依頼を考え直すきっかけにもなります。
配属先・部署を異動する
会社に相談しても改善されない、もしくは会社に相談するのが心配な場合は配属先の異動を希望する方法もあります。
配属先を異動できればパワハラの加害者と顔を合わせる必要が無くなり、改善が期待できます。
もしもこれを期に職種を変えたい場合には部署の移動を希望する手もあります。
転職する
会社がそんなに大きくなく加害者と常に顔を合わせる必要がある、会社にパワハラが蔓延しているといった場合は転職をするのも選択肢の一つになるでしょう。
転職をすれば加害者から確実に離れることができる上に、企業を選べば今よりもライフワークバランスが整った場所に就職できる可能性もあります。
まとめ
建築業界では、上司からいじめや嫌がらせを受ける、クライアントから無理な工期を要求されるなどのパワハラがあるようです。
建築業界でパワハラが起こる理由には閉鎖的な空間で危険と隣り合わせの作業がある環境や、元請け・下請けの構造、男社会、高齢化社会といった点が挙げられます。
実際に建築業界でパワハラを受けた場合は、録画・録音をして会社に相談したり、配属先や部署の異動、転職も視野にいれて毅然とした対処をしましょう。
【参考サイト】
https://www.aig.co.jp/kokokarakaeru/management/reparation-risk/harassment14
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/definition/about
https://www.hs-partner.co.jp/column/insurance/construction_power_harassment.html
https://sakura-hokuso.com/houjinhoumu/kensetsu/fushouji12.html
https://fu-watt.jp/strange/