2021.09.13
働き方

【建築×ICT化】現状と導入すべき理由4選

近年進む「ICT化」ですが、建築業界においてはどのぐらい浸透しているのでしょうか。

業界全体で高齢化が進んでいることや、現場では手作業が多いことを理由に、他の業界よりもデジタル化しづらいと言われておりました。
しかし、慢性的な人手不足を解消するためにも、ICT化を導入し生産性の向上が求められています!

ICT化の現状と、建築業界こそ導入すべき理由について解説していきたいと思います。

1.「ICT」とはそもそも何?

ICTとは、「Information and Communication Technology」の略称です。
「IT」の中でも、コミュニケーション・情報通信に特化した技術を指す言葉として使われています。

建築業界においての「ICT化」とは、今まで紙ベースで行っていた作業を、デジタル化することで業務効率を図ることを言います。
デジタル化とは具体的に、スマートフォンやタブレットを使用して、図面の作成・確認を行うことや、遠隔での操作・指示を行うことなどが例として挙げられます。

2.建築業界の「ICT化」はどれくらい進んでいるのか?

建築業界は現状、どのぐらいICT化されているのでしょう。
国土交通省から発表された「ICT施工」における実施状況のデータを見ていくと、令和元年度は79%の実施率となっています。
内訳としては、2397件の公告件数のうち、1890件です。

年々、ICT施工の実施率は増加傾向にあると言えます。

出典:国土交通省ホームページ

3.なぜ必要なのか?

建築業界でも着実に進む「ICT化」ですが、そもそもなぜICT化する必要があるのでしょうか?
建築業界こそICTを導入すべき理由について解説します!

3-1 慢性的な人手不足の解消

建築業界の人手不足は深刻な問題となっています。
少子高齢化が進み従業員の年齢層も高くなり、このままいくと今後10年以内に多くの就業者が引退することで、より人材不足が加速することが容易に想像できます。

作業をICT化することで、働き方の改善にもつながり一人ひとりの業務の負担を減らすことが可能となります。業務環境が改善されることで、離職率低下だけでなく、若手の人材も採用しやすくなります。

3-2 生産性の向上につながる

リアルタイムでの情報共有や書類・勤怠管理などを、紙媒体からデータ管理へと移行することにより、生産性の向上につながります。
建築業界では、現場と事務所を行き来するなど、移動に時間がかかることも多々あります。
スマートフォンやタブレット端末で、現場から情報を確認できることは、時間を有効に使い作業効率が上がります。
また今まで、事務所に戻ってから行っていた報告書類の作成などの残務処理も、タブレット端末からスムーズに行うことができるため、効率良く作業を進められます。

3-3 業界イメージの向上

建築業界はいまだに「3K」のイメージが強く、長時間労働や休日出勤をしなければいけないなど、ネガティブな印象となっています。
ICT技術を導入することで、労働時間の短縮につながり、働き方改革の推進も期待できます。
また業界イメージが良くなれば、建築業界の就職を希望する若者の獲得にもつながるでしょう。

3-4 品質・安全面の向上

紙媒体で管理するには、膨大な資料となってしまいますが、タブレット端末に、図面などの記録をデータとしてためていくことで、施工の品質向上につながります。

また、安全面でもICTを導入するメリットがあります。
建築現場は急な天候の悪化や、高所での作業など、常に危険と隣合わせです。
現場にカメラを設置したり、作業者一人ひとりに心拍数を計測し管理できるリストバンド型のセンサーを着用させるなど、目視では気づくことのできない、体調不良者をICTの技術によって予兆することができます。

4.まとめ

建築業界の「ICT化」にはメリットがたくさんあります。
しかし、建築業の就業者は年々高齢化しており、デジタル化に後ろ向きな方も少なくありません。
スマートフォンやタブレット端末の最新のアプリを使いこなしてこそ、ICT技術を導入するメリットがあることを理解した上で、導入するタイミングや、ツールを検討しなければなりません。

こういった課題をふまえたとしても、人手不足が深刻な建築業界にとってICT技術を活用することは、必須と言えるでしょう。
多くの企業がリモートワークなど働きやすい環境づくりを積極的に取り入れている今こそ、建築業界も改革が必要でしょう。