「リフォームとリノベーションの違い」質問が増加。どう答える?
すっかり一般的な言葉となり、需要が高まり続けているリノベーション。
「比較的安価に購入できる、綺麗で機能的な住まい」といったイメージ。更にリモートワークの普及によって後押しされた「脱都会・二拠点生活」のような生活スタイルに対する意識変化も手伝ってか、「新しい住まいの形」の検討者は一層増加し、書店に並ぶ住居やインテリア関連雑誌でも頻繁に取り扱われるようになりました。
そんな中で、よく耳にするようになった素朴な疑問が「リフォームとリノベーションの違い」です。
Google検索数も上昇傾向にあるこの疑問、明確かつ一般的に理解されやすい回答とはなんなのでしょうか。そ
参考:過去10年間の、リフォームとリノベーションの違いについてのGoogle検索推移
目次
明確な違いは「ゴールが0か、0ではなくプラスか」
リフォームとリノベーションに厳密な定義や線引きは無いともされていますが、一般的な感覚に対して最も簡潔な回答はおそらく「ゴールが0か、0ではなくプラスか」だと言えるでしょう。
リフォームは、壊れたり老朽化した部分の「機能の回復」を実現します。それに対してリノベーションは「新たな価値を生み出す」ものだとされています。
例えば、水回りの設備等を交換して新品もしくは新品に近い状態にするのは「リフォーム」ですが、耐震工事は機能の回復ではなく付加価値を手に入れるため「リノベーション」という事になります。
(画像:pixabay / 作成:RFCパートナーズ)
押さえておくべき4つのポイント
それでは、リフォームとリノベーションの違いで一般的に「知りたい」とされる4つの大きなポイントを見てみましょう。
工事期間
リフォームとリノベーションとを比較すると、リノベーションのほうが工事の規模が大きくなります。
それに伴って綿密なプランニングも必要となるため、工事期間は通常リノベーションの方が長期になります。
部分的なリフォームであれば数日、もしくは1〜2週間程度で完了する事がほとんどと言われますが、リノベーションでは多くの場合で設計から完了まで数ヶ月〜半年ほどかかるとされています。
(pixabay)
工事費用
内容によって工事費用は前後しますがリノベーションの方が大規模改修となるため、リフォームよりもリノベーションの方が費用が高額になるになる場合が多いと考えられます。
住宅取得者がリノベーションに期待しているのは「コストを抑えて新築のような物件に住める」といった点が大きいものですが、新築と比較して費用を抑えられるとは言っても本格的な改修をする以上ある程度の費用が必要になります。
リフォームでは「設備の交換」「内装工事」が主で費用相場や見積もりとともに仕上がりのイメージまで明確にしやすいため、住宅取得者にとって検討・意思決定がしやすい面があります。
(pixabay)
設計の自由度
リフォームが機能回復を目的とするのに対して、リノベーションは間取り変更を含む大規模な改修のため、理想のレイアウトを実現できます。
ライフステージの変化に合わせたり、現代のライフスタイルに対応した住居に変更が可能なために、近年ではリノベーションの人気が高まっています。
(pixabay)
住まいの「性能」を変えられるか
リフォームとリノベーションの大きな違いには「住まいの性能」がどうなるか、という点があります。
リノベーションで改修に使用する素材をオーダーできる場合には、断熱・通風・省エネ・耐震等の性能を上げる改修も可能となり、住宅の価値を大きく上げられる可能性があります。
リフォームは住まいの性能を「新築と同じか、それに近い状態」にするため、機能の回復以上を求める場合にはリノベーションを検討する事になってきます。
(Adobe Stock)
会社や団体によって考え方が違う
コラム冒頭で述べたようにリフォームとリノベーションには厳密な定義や線引きが無く、中には「施工範囲が小さければリフォーム、広ければリノベーション」としているなど会社や団体によって異なります。
一般社団法人リノベーション協議会ではリノベーションの定義を次のように述べています。
リノベーションとは、中古住宅に対して、機能・価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修を行うこと。
(Adobe Stock)
明確な規程が無いからこそ、「リフォームとリノベーションの違い」が何なのか疑問に思う人が増えているとも言えるかもしれません。
引き続き注目される「リフォーム・リノベーション」」
日本では高度成長期に多く建てられた物件の老朽化や、リモートワークの普及によって都会から離れたり、二拠点生活を検討する人が増加した事でも、今後「リフォーム・リノベーション」はますます注目されると予想されています。
「リフォームとリノベーションの違い」という素朴な疑問が増える中、偏らずに明確で一般的に分かりやすい回答があれば、より安心して検討できるかもしれません。