2022.12.08
コラム

人生100年時代のアクティブシニアマンションとは

人生100年時代と言われる現代では、高齢者の住まいや暮らしの形も変化しています。

そんな中、話題になっているのが「アクティブシニア向けマンション」です。現代のライフスタイルに対応した住まいの形のひとつであり、長い人生を過ごすための様々な工夫が施されています。

この記事では「アクティブシニア向けマンション」について解説します。

アクティブシニアとは

アクティブシニアとは、元気で就労の意欲にあふれ、自分なりのこだわりや価値観を持ち、仕事や趣味に意欲的なシニア世代のことです。

一般社団法人「日本アクティブシニア協会」では前期高齢者(65~75歳)と定義しています。

アクティブシニア向けマンションとは

アクティブシニア向けマンションとは、自立した生活を送るシニアが快適な生活が送れるような工夫を施したマンションです。

シニア向けマンションは増加しており様々な種類があるため、それぞれの物件の特徴をよく調べて検討する事が大切です。

バリアフリー

シニア向けマンションのほとんどは、高齢者が生活しやすいようにバリアフリー化されています。

転倒リスクを減らすために玄関部分にベンチを配置していたり、手すりが付けられていたりします。

室内だけではなく、建物から外出する際の動線にスロープが設置されていたり、段差部分を色分けしてつまづきづらくしているマンションもあります。

間取り

シニア向けマンションの中には、高齢者が快適に過ごしやすい間取りを意識している物件もあります。

例えば、温度差に配慮してお風呂をリビングと近くしたり、夜間に行き来がしやすいように寝室の近くにトイレがあったりします。

共用エレベーターの設置

シニア向けマンションでは高層でない物件であっても、基本的には共用エレベーターが設置されています。

現在は階段移動で全く問題ないシニアでも長く暮らせるように、将来的に杖やシニアカート、車椅子等を利用する場合も想定に入れて設計されています。

見守り、緊急コールシステム

シニア向けマンションの中には、万一に備えた緊急システムを充実させている物件もあります。

一定時間に在宅の動きが無い場合にセンサーが感知する見守りシステムや、トイレ・浴室・リビングなどにボタン式の緊急コールを設置していたりします。

入居者同士の交流

マンションの入居者同士が交流しやすいように、教室やサークル活動を用意している場合もあります。

ヨガ、楽器、俳句、写真、囲碁、麻雀、絵画など様々な趣味に合わせた教室を設立・運営して、仲間づくりをサポートするというものです。

「シニア向けマンション」と「サ高住」との違い

シニア向けマンションは、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とどういった違いがあるのでしょうか。

(pixabay)

初期費用

サービス付き高齢者向け住宅の多くは賃貸契約のため初期費用が少ないですが、シニア向けマンションの多くは分譲住宅のため初期費用が高額になります。

リフォーム、相続、売却

シニア向けマンションは多くの物件が分譲住宅です。その場合、賃貸契約ではできないリフォームや相続、売却が可能になります。

娯楽設備

サービス付き高齢者向け住宅も、シニア向けマンションも高齢者の生活に配慮した設計がなされています。

シニア向けマンションではそこに加えて娯楽の要素を充実させる傾向があり、例えばフィットネス室やシアタールームがあったりします。

遠方に住む親を近くに呼ぶ

「離れて暮らす高齢の親を、近くに呼びたい」と考える人にとっても、シニア向けマンションは検討すべき物件に入るようです。


特に自立しているアクティブシニアでは「子供に迷惑をかけたくない」と考え、同居よりも近居を望む人が多い傾向にあると言います。


しかし、そんな活動的な親のライフスタイルを尊重しながらも、将来的な事を考えて近居を検討したいというケースは少なくありません。


シニア向けマンションは活動的な暮らしを前提としていて活動的なシニアを呼びやすい要素が揃っているため、近居を望む人にとっては魅力的な物件でしょう。

まとめ

間取りや設備・見守りシステムだけではなく、入居者の趣味や交流までサポートする工夫が施されているシニア向けマンションは、自立した生活を望むアクティブシニアにとって魅力的だと言えるでしょう。


遠方から両親を呼び近居を望むものの不安がある、という人にとっても多くのメリットがあります。


ただし、初期費用が高額になりやすいといったデメリットもあるため、資産形成の計画と合わせて自身の望む暮らし・住まいを実現できるか検討する必要があります。