DAOが土地・シェアハウスの用途を決める時代。Web3の新組織形態とは?
「DAO(ダオ)」は「Decentralized Autonomous Organization(ディセントライズド・オートノマス・オーガニゼーション)」の略で、「分散型自立組織」と訳されます。
株主や経営者のような存在を置かず、その組織で使用されるトークンを所有している全ての参加者に意思決定の権限がある組織形態がDAOです。
目次
DAOの特徴は中央管理者を持たないこと
DAOは株主、経営陣、役員などの中央管理者を持ちません。組織に参加しているメンバーが意思決定を行います。
(pixabay)
DAOではルールが”スマートコントラクト”に書き込まれる
DAOの成立と深く関わっているのが「スマートコントラクト」です。
仮想通貨取引、ゲームや様々な分野のDAOにおいて、メンバーが作ったルールはスマートコントラクトで自動実行されるようになります。
スマートコントラクトとは
スマートコントラクトはシステム上に設定されたルールに従って自動的に取引が実行されるプログラムのことです。
スマートコントラクトは、1990年代にニック・サボ(Nick Szabo)というコンピューター科学者によって提唱されたと言われています。
スマートコントラクトの考え方そのものは昔から存在しており、サボ氏はスマートコントラクトの最初の導入例として自動販売機を挙げています。
「必要な金額を投入する」「購入したい飲料のボタンを押す」という動作が契約条件となっていて、条件が満たされると飲料がユーザーに提供されます。
このように自動的に契約が実行されるのが「スマートコントラクト」の考え方なのです。
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“非”中央集権組織における意思決定
DAOには中央管理者が存在しないため、意思決定は参加者同士で行われます。株式会社における株ではなく、DAOでは組織に関わる人が”トークン”を保有し、トークンを保有する参加者が意思決定を行います。
“トークン”は直訳すると「しるし・証明」ですが、場面によって意味合いが異なる多義語です。
【 トークンの例 】
・プログラミング言語のソースコードにおける、最小単位の字句のこと
・コンピュータサービスに使用する認証サポートのための物理デバイス
(セキュリティトークン)
・硬貨の代わりに用いられる代用貨幣(仮想通貨や、ゲームセンターのコインなど)
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DAOの意思決定はブロックチェーンに記録される
DAOでの意思決定の投票結果は全てブロックチェーン上に永遠に記録されるため、オープンソースで透明性が高い点も大きな特徴のひとつです。
トラブル発生時の法整備が課題
DAOには大きな課題も存在します。例えばトラブルや事故が発生した際に中央管理者の存在が無いDAOでの対処をどうするのかなど、法整備が追いついていない面があります。
既に世界中に2000以上のDAOが存在している
DAO分析プラットフォームとして有名な「DeepDAO」には2000以上のDAOが登録されています。
Web3.0時代においてDAOは主流の組織形態になると言われています。
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日本初のDAO型シェアハウス
空き家のレンタル事業などを手がける巻組とガイアックスが日本初のDAO型シェアハウスを発表しました。
一軒家を貸し出し、利用希望者はNFTを購入します。外部に対する代表の立場は巻組となりますが、ルールや予算の使い方などはNFTを購入した参加メンバーがDAOとして意思決定を行います。
ブロックチェーン上の土地を現実世界とリンクさせている「CityDAO」
「土地、所有権、統治をトークン化することで、イーサリアム上に未来の都市を構築する」ことを目的としたプロジェクトが「CityDAO」です。
【 イーサリアムとは? 】
分散型アプリケーションやスマート・コントラクトを構築するためのブロックチェーン・プラットフォームの名称であり、関連するオープンソース・ソフトウェア・プロジェクトの総称。イーサリアム・プロジェクトによって開発が進められている。(Wikipedia)
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「CityDAO」では、ブロックチェーン上の土地が現実世界の土地と紐づいています。ユーザーはNFTを購入してその土地の「市民」になることができます。
その土地のあらゆる決定に対して、市民となったユーザーからの投票が行われるのです。
現在CityDAOはアメリカのワイオミング州の土地を所有しており、同州がCityDAOを法的なLLC(有限責任会社)として認めています。
まとめ
「土地や物件の用途やルールをDAOが決定する」という、全く新しい組織形態がスタートしています。
ブロックチェーンやNFTといった新技術の目覚ましい発展によるWeb3.0時代の到来とともに、各業界のビジネスモデルも急速な変化を迎え、不動産業界にも大きな変革が起きています。
DAOの出現による世の中の変化を捉えた、Web3.0時代に対応できるビジネスモデル構築が重要となっています。