【世界最高の話し方 Vol.2】 グローバルエリートの「エモロジカル」な説得力がデキるリーダーを作る
今回は「世界最高の話し方」コラムの第二回です。
このコラムでは、世界のCEOや幹部、経営陣のスピーキングコーチによる著書「世界最高の話し方」を元にしたコミュニケーションスキル向上のノウハウを紹介します。
第一回では社員の離職防止効果まで期待できる「賞賛力」について理解を深めました。今回はグローバルエリートの「説得力」にスポットを当ててみましょう。
目次
「エモロジカル」とは
「エモロジカルな話し方」とは、「ロジカルな」話し方と「エモーショナルな話し方」とを組み合わせて話すことです。
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まず、ロジカルとエモーショナルそれぞれの特徴を見てみましょう。
ロジカルな話し方
「ロジカル(理論的)」な話し方は「説明のノウハウ」とも言えるかもしれません。しかし、単に説明するのではなく、言いたい事や考えも含めた全ての情報を整理整頓して分かりやすく話す必要があります。
情報の選定をし、具体的な数字やデータを適切に盛り込み、それを適切な順番で端的に伝えるのが「ロジカルに話す」という事だと言えます。
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エモーショナルな話し方
一方「エモーショナル(感情的・情緒的)」な話し方なら、強い共感を得る等でいかに感情に訴えて心を掴めるか、という事になります。
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人々の気持ちを理解して、寄り添う力が求められるため、例えば「へえ〜!そうなんだ。」「おお!それは嬉しいね。」というように感嘆詞を使用したり、あるいは企業の創業当時の苦労話やエピソードを盛り込むといった話し方です。
「絵を見せる」ように話す
エモロジカルな話し方は、聞き手にまるで「絵を見ている」かのような感覚を引き起こします。
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ここで、「世界最高の話し方」でも紹介されている、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式での有名なスピーチに注目してみましょう。
ジョブズは「貧しくて苦労した時期もある。」と伝えるのに、このような表現を用いました。
私は(大学の)寮の部屋もなく、友達の部屋の床の上で寝起きしました。
食べ物を買うために、コカ・コーラの瓶を店に返し、5セントをかき集めたりもしました。
温かい食べ物にありつこうと、毎週日曜日は7マイル先にあるクリシュナ寺院に徒歩で通ったものです。
聞き手の頭の中に当時の景色が浮かぶような、まるで紙芝居を見せるかのような表現と言えるでしょう。「お金が無く苦労する」シーンには多くの学生が共感し、その中で「少しのお金」ではなく「5セント」、「遠くの」ではなく「7マイル先にある」といった具体的な数字を盛り込みますが、その数字は決して堅苦しい説明ではなく、浮かぶ景色をさらに鮮明にするように効果的に使われています。
デキるリーダーの「数字」の扱い方
先ほどの「エモロジカルな話し方」で見たジョブズのスピーチの中にもあったように、数字が使い方によって「感情を動かす言葉」になるというのは興味深い話ではないでしょうか。
ここで、デキるリーダーに見られる数字の取り扱い方にスポットを当ててみましょう。
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「数字」は、絶対的なようで相対的である
例えば、次の三つの言い方を比べてみましょう。
A「その面接では、私を含めた2人が合格しました。」
B「その面接には3人が応募して、私を含めた2人が合格しました。」
C「その面接には150人の応募があり、私を含めた2人が合格しました。」
いかがでしょうか。A、B、Cは全て「2人が合格した」という事を伝えていますが、受ける印象がそれぞれ違ってきます。基準となるもう一つの数字を提示することで、人が「2」の数字から受ける印象を大きく変化させる事ができるのです。
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このように、人間にとって数字は必ずしも絶対的なものとは言えず、伝え方によって心象操作ができてしまうような面を含んでいるといえるでしょう。
丸めない数字で「グローバルエリートの説得力」を手に入れる
グローバルエリート達に見られる、「相手に鮮やかなイメージを持たせる」プラス効果に繋がる数字の伝え方について、いくつかの例を見てみましょう。
A 私は様々な言語に対応できるスクールを運営しています。
B 私は英語、フランス語、ドイツ語など33か国語に対応できるスクールの運営をしています。
A 多くのお客様からご好評を頂いております。
B 1万2560人のユーザー様のうち97%の方から高評価のレビュー投稿を頂きました。
A 売り上げは大きく伸びました。
B 売り上げは前年比1.5倍に伸びました。
これらの例では、敢えて丸めない数字を盛り込むことで聞き手のイメージを鮮明にして、説得力を持たせています。
「エモロジカル」に人を惹きつけ信頼を得る
今回は、グローバルエリート達の「説得力」にスポットを当てました。
コミュニケーションにおける数字の扱い方を身につけて「エモロジカル」に話す事ができれば、周りの共感を得るだけではなく、その説得力によって人を惹きつけ信頼を獲得できるでしょう。
「世界最高の話し方」コラム第三回では、周りを熱狂的なファンにしてしまうカリスマリーダーの「魅せ方」について触れたいと思います。