【住宅業界】ウッドショック2021年からみる伸びている企業の特徴
目次
【結論】
ウッドショックで利益が圧迫される中、選択と集中で積極的な投資(社内体制強化・優秀な人材の確保)をあえてする企業が伸びている。
(pixabay)
1.ウッドショックとはそもそも何なのか。
ウッドショックとは、アメリカや中国における木材需要の増大と供給不足により、日本に輸入材が入ってこなくなり、それによって国内産の木材需要も増えて入手困難になっている状態のことです。
2.ウッドショックの要因とは何なのか
大きく2つ要因としては挙げられます。
1つ目は、建築木材の需要増になった点。2つ目は、コンテナ不足である点。
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2-1. 建築木材の需要増になった理由
新型コロナウィルスの影響で、おうち時間が増えた影響により、戸建て住宅の需要が増えています。日本だけではなく、人口の多いアメリカや中国でも木材需要が拡大しており、建築木材を世界各国で奪い合いの状態になっているため、価格が高騰しているのです。
2-2. コンテナ不足になっている点について
木材を輸入するためには、海外から日本に運ぶ際に大量のコンテナが必要になってきます。
そのコンテナが、新型コロナウィルスの影響で物流が鈍くなったり、物流の需要増でコンテナが不足してます。それに加えて、3月にスエズ運河で大型コンテナ船の座礁事故の原因で、さらにコンテナ不足に拍車をかけてしまってます。
3.現在、住宅会社、工務店はどう対応している?
ウッドショックに対応する4つの方法をご紹介します。
3-1.国産材を利用する
元々地場工務店が国産材を使用していると思いますが、日本の木材自給率は約3割程度。数年前の2割よりは少し上がったのですが、安い外材を使用して建築している企業は多く、国内ではほとんどを輸入に頼っています。国産材の製品市場でその時々に必要なものを仕入れて売っていたプレカット工場や問屋さんなどが、仕入れの値上がり、もしくはそもそも仕入れができないという状況になっています。国産材を単純に供給増やすことは難しい林業の現状もあり、短期に良くならない方向です。
3-2.製品市場の流通品を買うのではなく、メーカーである製材工場と直接取引をする
製材工場は丸太を仕入れて自社で製造するので、丸太の高騰などは起きていないので比較的安定して生産ができます。地場で長年やっている、またコネクションがある企業は部材のコスト増にならないようにすでに関係値を作ってます。企業によっては関係値がないところもあると思いますので、中長期かかるのですが、事業をやる上で今からでも関係を作っておいたほうがよいと言えます。
3-3.リフォーム、リノベーションの業態に力を入れていく
住宅部門の売上が厳しくなった分、今までアフターサービスの延長線上の対応でリフォームを手がけてきた企業が、本格的にリフォームに力を入れて新たなる収益の発生源として資金を投下してます。具体的には、M&Aで地域リフォーム企業を買収したり、自社でリフォーム部門を立ち上げて行うことをしてます。ただし、すでに大手リフォーム会社、大手住宅会社など競合会社が多く、利益をあげながら業績を伸ばしていくのは難しいです。フランチャイズに加盟したり、外部から立ち上げられる人材を獲得したり、社内で有力な社員をリフォーム部門に異動させるなどが挙げられます。
3-4.非価格競争を目指し、付加価値をつける
一般的な木造住宅の見積もり金額のうち木材が占めるのは1割前後。2,000万円の家で200万円ほどです。その木材価格が2割上がったとすると40万円アップです。
小さな金額ではありませんが、2,000万円に対してはすごく大きいわけでもありません。
40万円ならどこか削れば減額できないこともありませんが、その価格差を営業マン・設計力などで価値を感じてもらい、お客様から選ばれる企業になることもできなくはないです。
4.ウッドショックの中でも伸びている会社がやっていること?
ウッドショックで業界全体が大打撃を受けている中、伸びている会社もあります。
4-1.社内体制の強化・社員教育に力を入れている
コロナウィルスによって、これだけ外部環境が変わったので、自社も変化させて行くべきで舵を取っている企業が多いです。例えば、自社の強みの再確認
や社員の評価制度の見直し、再構築、WEBに力を入れるなど、会社、従業員の底上げを図っている企業が多いです。
4-2.採用に力を入れている
ハローワークに求人票を提出してそのままにしたり、求人広告を打ってまま採用活動するなど、いわゆる受け身の採用をして、積極的に採用活動を行っていない企業の採用力は衰退を加速させます。社員からの紹介であるリファレンス採用の促進や自社H Pの採用ページを作り充実させて、自社の魅力を伝え、引っ張ってくる導線を作るなど積極的に採用に関して仕掛けて採用に結びつけるような行動しているが伸びている企業が多いです。
5.まとめ
国産材の利用や製材工場と付き合いを今からでもコツコツ信頼関係を作り、新たな業種にも力を入れつつ、価格転嫁をしてもお客様から受注を勝ち取る営業マンや設計士が必要です。また、受け身の採用活動ではなく、外部からも優秀な人材を獲得できるよう、社内体制の見直しや強化をすることは非常に大事と言えます。