2021.12.16
経営ノウハウ

【中小企業向け】離職率が高い企業が取るべき行動4選

せっかく優秀な人材を採用しても、すぐに退職されては会社の発展にはなりません。
離職率の高さ=企業の衰退と言っても過言ではありません。

本記事では、離職率の高さを放置してしまうと、企業にとってどのようなことが起こるのか、また離職率を下げるために経営者や人事ポジションの方ができることについてご紹介させていただきます。

 

(pixabay)

1.離職率の定義とは?

離職率の定義について、解説します。
離職率とは、仕事に就いていた労働者のうち、一定の期間のうちに、どれくらいがその仕事を離れたかを比率として表わす指標です。

どのように算出されるか…
厚生労働省が実施している雇用動向調査で使用されている、以下の計算式に当てはめて算出されます。

「離職者数÷1月1日現在の常用労働者数×100(%)」

ただし、法的に上記に計算式を使用しないといけないと定められているわけではありません。そのため、会社独自の算出方法を採っている場合もあるでしょう。

2.中小企業の離職率の現状

企業規模別の離職率を見ていきましょう。

厚生労働省の「雇用動向調査」の調べによると、従業員数が「1,000人以上」の大手企業に分類される企業の離職率が14%前後なのに比べ、「100〜299人」の中小企業では18%と高い離職率を示しています。

ただし、「30〜99名」の規模に関しては、離職率は低くなっていることが分かります。これは、同族経営が理由であったり、小さい会社ほど退職時の引き止めが強く、中々辞められないなども影響しているかもしれません。

離職率が低い=従業員満足度が高いとは限らないため、注意が必要です。

 

3.離職率が高いとどのような影響が?

離職率が高い企業に起こるデメリットを大きく分けて2つご紹介します。

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3-1.採用が難しい・コスト増

離職率の高さは、企業イメージの低下に直結します。「労働環境や待遇が良くないのではないか?」「人間関係が悪い?」など様々な憶測を呼び、採用活動に影響が出ます。
また採用しても短期で離職となれば、いつまでも充足することがないため、採用コストや、採用してからの育成コストがかかることもデメリットです。

3-2.業務が回らない

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離職者が相次ぐと、人手不足となり業務が回らなくなります。前もって新しい人へ業務の引き継ぎができている場合は問題ありませんが、突発的な退職となると人材の補充だけではすぐに戦力となってもらうことができません。

特に中小企業では、一人ひとりが担当する業務範囲が広くなりがちです。そのため、退職者が出た時に別の社員がカバーできない可能性もあります。

4.離職率を下げるためにできること

離職率を下げるために取り組むべきことについて、いくつかご紹介します。

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4-1.評価制度の見直し

評価制度が適切かどうかは社員の定着に大きく影響します。
透明性のない評価制度であれば、社員は「頑張っても報われない」といった気持ちに陥りモチベーションの低下を招きます。
評価制度は明確化し、公正で社員の納得を得られるように見直しが必要です。

4-2.ビジョンの共有

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経営者が思い描く会社のビジョンを定期的に社員に共有することもいいでしょう。
社員と経営層の距離が近い中小企業だからこそ、経営者自らが今後の目標や経営方針を共有することで、将来性に不安を抱く社員を減らすことができます。
会社がどうなっていくが分からない中で、毎日働くということは社員にとって不安が募ります。経営状態を開示することやビジョンの共有は社員に安心感を与えたり、モチベーションのアップも見込めます。

4-3.労働環境の改善

離職率の高い企業の特徴として、業務量の多さや、拘束時間の長さがあげられます。
まずは、適切な業務量か見極め、必要に応じてIOTの導入など生産性の向上や、業務効率化を図ることができる環境に整えることが重要です。

4-4.定期的な面談の実施

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退職理由の一番の理由は、「人間関係」であることがほとんどです。
特に上司と馬が合わないと、誰にも相談ができず辞めざるを得ない状況へとなる場合もあります。
定期的な面談を実施することで、社員の本音を把握することができれば「配置転換」など、対応できることがあるかもしれません。
面談以外にも、コミュニケーションツールを導入することで、離職率の低下につながるケースもあります。

5.まとめ

待遇面の改善が離職率低下の近道だと思ってしまいがちですが、社員の退職理由は様々です。多くの社員は本当の退職理由を伝えずに辞めていきます。そのため、どこかに問題があっても気づかない場合がほとんどです。
優秀な人材を定着させるためにも、今回ご紹介した記事を参考にしてみてください。