2021.09.13
建築業界動向

【新卒採用 動向】新卒採用が成功している工務店の特徴は?

中途採用だけでも問題なく仕事は回っているという会社も多いかもしれません。
しかし、さらに会社を大きくしようと考えた時に、〈新卒採用〉を強化すると様々なメリットがあります。

今回は、新卒採用を行うことで得られる会社のメリット・デメリットや、実際に新卒採用を成功させている企業の特徴をお伝えいたします!

1.コロナ禍における新卒採用の動向

新型コロナウイルスで、企業の新卒採用に大きな影響を与えています。
特に中小企業が影響を受けているようです。

1-1 求人倍率の変化

まず、コロナ禍において新卒採用はどのように変化しているのでしょうか?

従業員別に求人倍率を確認してみたところ、300人以下の中小企業は特に、新型コロナウイルスの感染拡大により、大きな変化が見られます。
直近10年間で、最も求人倍率が高かった2019年と比較すると6.6ポイントも低下しています。

出典:リクルートワークス研究所 第37回 ワークス大卒求人倍率調査(2021年卒)

1-2 オンライン面接の導入

またコロナの影響で、採用面接にも大きな変化が出ています。

今まで、説明会〜面接まで対面で行うのが当たり前だった面接も9割以上の企業が、オンライン面接を導入しております。
しかし、全てをオンライン化することで、企業と候補者の間でミスマッチが起こる可能性が高いため、最終面接のみは対面で行う企業が多いようです。

実際に、内定までのフローを全てオンライン化にした企業は、入社してから「イメージしていた会社と違う」「こんな社風だと思ってなかった」などの理由で、早期退職につながっているケースも多く見受けられます。

出典:株式会社スタジアム、株式会社ジェイック共同調査 「2022卒 新卒採用 企業調査(第1回)」

2.新卒採用を行うメリット

「即戦力」にはならない新卒採用ですが、それ以上に得られるメリットがたくさんあります。

2-1 将来的な幹部候補の育成

就労経験がない新卒社員は、企業への忠誠心が高く、自社の文化や理念に関しても浸透しやすく受け入れやすい傾向にあります。
すでに他社の社風を経験している中途社員の思考性を変えることよりも、一から育成する方がスムーズだと言えます。

2-2 組織の活性化

フレッシュな新卒者を採用することで、会社の雰囲気も明るくなります。
また、既存社員にとっても育成する機会があるため、自己の成長にもつながります。

昇進という面で考えた時にも、新卒者が入社し若手が増えることによって、マネジメントポジションの枠ができるのでモチベーションアップになります。

2-3 企業PR

合同会社説明会やメディアを通じて自社の紹介をし、母集団形成を図るため、新卒採用を行うこと=企業のPRとなります。
自社に面接に来る候補者へのアピールだけでなく、潜在顧客など周りへのPRにつなげることができます。

2-4 採用単価を抑えることができる

スキルを持った中途採用をバラバラに採用していくより、一人あたりの採用単価を抑えることができます。
社内教育においても、一斉に研修をスタートすることができるため、工数を減らすことができるというメリットがあります。

3.新卒採用を行うデメリット

新卒採用には、たくさんのメリットがある反面、デメリットもあります。
新卒採用は実績やスキルがない状態ですので、ポテンシャルを見極める力が大切です。
ここからは、新卒採用のデメリットについてお伝えさせていただきます。

3-1  育成に時間がかかる

ポテンシャル採用で即戦力として働いてもらうことはできません。
社会人経験がゼロのため、社会人としてのマナーや、ビジネスメールの送り方など基本的なところから教える必要があります。
時間がかかるだけではなく、研修やセミナーなど育成にコストがかかることもデメリットと言えます。

3-2  景気に左右される

人材確保が景気の波に左右されてしまいます。売り手市場であれば当然、人材確保は難しくなります。
逆に買い手市場の場合は、採用しやすくなりますので、年度によって採用人数に偏りが出ます。

3-3  ミスマッチが起こる

就業経験がないため、入社してから仕事内容や社風など、イメージと現実にギャップが生まれてしまいます。
就活生の企業研究が足りていない場合と、企業側が会社のいい面しか伝えない場合にミスマッチが起こると言えます。

4.新卒採用に成功しているハウスメーカー・工務店

新卒採用に成功しているハウスメーカーや工務店は、どういったことに取り組んでいるのでしょうか?

4-1 SNSでの自社のPR

就活生が、会社選びで重視していることの20%以上は「社風が合うこと」です。
自社のHPでは中々伝わりづらい、社員の紹介や社内のイベントを掲載することで、自社の社風を発信することができます。

最近ではInstagramやTikTokで会社の情報を収集する就活生が多いようです。
社風や、既存社員を知ってから入社するので、入社後のミスマッチを下げることにもつながります。
また、社内の雰囲気だけでなく「施工管理の制服がかっこいい」などの理由で、説明会に参加する就活生もいるそうです。

4-2 早い内から裁量のある仕事を任せる

新卒社員が、一年未満に早期離職する理由として「成長が見込めない」という回答があります。

もちろん会社側としては、基本的な仕事を覚えてもらい段々と責任のある仕事を任せたいと考えることは当たり前ですが、新卒社員は「もっと早くスキルを身につけたい」などを理由に退職を希望してしまいます。

新卒社員の離職が少ない企業では、若手の内から積極的に責任のある仕事を任せています。
例えば、次年度の新卒採用の面接を担当させます。
理由としては、二点あり「就活生の気持ちに寄り添うことができる」、二点目は、「自分たちが会社を盛り上げないといけないという意識が強い」ことが挙げられます。

4-3  研修制度・評価制度

新卒社員が辞めてしまう理由に、「会社のスピード感についていけない」という理由があります。

離職率の低い企業の特徴として挙げられる第一位は、研修制度が整っていることです。
また研修制度が整っているだけでなく、入社してから各部署を体験させて、実際にやらせてみてから、どの部署で働きたいかを自分で選ばせる企業も、就活生から評判がいいです。

評価制度について工夫している企業では、入社3年目までは「定性評価7割・定量評価3割」と数字や実績以外の部分もしっかりと評価してあげることで、社員の承認欲求を満たす工夫をしているようです。

5.まとめ

新卒採用は日本独自のスタイルと言われています。
合同説明会の参加や、内定者フォローなど、中途採用に比べると多くの工程がかかる新卒採用ですが、取り入れるメリットは十分にあるのではないでしょうか。

今回は、実際に新卒採用に成功している企業の例を踏まえながらお伝えさせていただきました。是非参考にしてみてください!