2022.04.15
働き方

マルチタスクは脳細胞を死滅させている?!「マルチタスク=優秀」は幻想

「マルチタスクができない社員は無能である」と思っていませんか?

その考え方はもう時代遅れかもしれません。
「マルチタスク」のせいで脳は深刻なダメージを受け、効率良く仕事をこなしているつもりが、逆に非効率であることが分かりました。

本記事では、「マルチタスク」の危険性と、生産性を上げる脳の使い方について解説します、
普段から「〜ながら」行動をしている方は是非参考にしてください!

(pixabay)

「マルチタスク」と「シングルタスク」について

マルチタスク

複数の作業を同時進行で行うことを「マルチタスク」と呼びます。
しかし、研究結果でマルチタスクは「脳の錯覚」であると結論づけられています。
実際には、「マルチタスク」ではなく「タスクスイッチング」といって、脳が高速で対象タスクを切り替えて処理をしているだけなのです。

この高速スイッチングが脳へダメージを与えることになります。

シングルタスク

シングルタスクとはその名の通り、ひとつの作業を完了させてから、次の作業に取り掛かります。
集中力アップや生産性の向上が期待できます。

「男女」の脳の違い

「女性はマルチタスクが得意」と聞いたことがありませんか?
しかし、実際には男女の脳に性差はなく、女性が家事や育児を両立することから、そのような固定概念が広まったと言われています。
男女問わず、人間の脳の構造上「マルチタスク」は不可能であると言われています。

「マルチタスク」の危険性

マルチタスクの習慣化によって、どんな危険があるのでしょうか?
「スマホを見ながら、食事をする」「電話で部下と話しながら、資料作成も同時に進める・・」なんて、誰もが日常茶飯事に行なっているかもしれません。

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脳へのダメージ

人間はそもそもマルチタスクできるように出来ていません。しかし、現代社会ではデジタル化が進み、スマホを開けばたくさんの情報が流れ込んでくるようになりました。
マルチタスクが習慣化されると、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加します。コルチゾールは、脳の記憶を司る部分にダメージを与えるため、「認知機能の低下」や、「注意力の欠如」を引き起こします。

脳へのダメージが蓄積されると、IQが10〜15ポイント下がるうつ病認知症の発症リスクが増大するため、早急にやめる必要があります。

生産性の低下

マイクロソフトの研究機関であるマイクロリサーチによるデータでは、マルチタスクはシングルタスクと比較し、生産性が40%低下すると言われています。
生産性の低下だけではなく、作業ミスが50%増加するというマルチタスクをするメリットが全くないということが分かりました。

「シングルタスク」へ切り替える方法

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マルチタスクが良くないことは理解できましたよね。
しかし、明日からいきなり、「シングルタスクにしよう!」と思っても、仕事量は変えられないし、どうしよう・・・と思うかもしれません。

脳の使い方を整理する方法を3つご紹介します。

ToDoリスト

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まずは、やらなければいけない業務の優先順位を決めて、ToDoリストを作成しましょう。タスクを明確にし、ひとつずつ片付けていきましょう。
ToDoリストのメリットは、やるべきことを明確にするだけでなく、やらなくてもいい業務を排除するきっかけにもなり、業務の無駄を省くことができます。
またざっくりとしたタスクよりも細分化させることで、業務に取り組む心理的ハードルを下げ、効率的に遂行することができるでしょう。

関連記事:【エッセンシャル思考 Vol.2】不要な仕事を断る3つのポイント「業務が多すぎる」悩みを解決

とにかくメモ

マルチタスクが得意な人の特徴として、コミュニケーション能力が高いことが挙げられます。
同時進行で複数の人とコミュニケーションを取り、業務が多岐に渡ってしまいます。
「忘れないうちに連絡しておこう」「〇〇さんに確認しないといけないんだった!」と、取り組んでいた作業を途中で中断するなんてことも・・・

このような場合は、とにかく忘れないようにメモに書き、取り掛かっている業務を終わらすことに集中することで生産性の低下を防ぐことができます。

スケジュールをパンパンにしない

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仕事をしていると必ずイレギュラーが発生します。
スケジュールに余裕がないと必然的に業務が重なってしまい、マルチタスクせざるを得ない状況になってしまいます。
忙しい経営者や、トップ営業マンも意図的に空白のスケジュールを取っている場合が多いので、一度試してみる価値はあります。

まとめ

「マルチタスク」が苦手で悩んでいる方もいるかもしれませんが、得意になる必要はありません!
しかし、仕事は思い通りに進まないこともあります。イレギュラーが発生し、「シングルタスク」では効率が下がってしまうという場合には、柔軟に対応できるように準備しておきましょう!

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