人材育成において重要な「インフォーマルラーニング」とは?
優秀な人材が企業間で取り合いとなり、
採用に苦労している人事や採用担当者も多いのではないでしょうか?
外部から優秀な人材を迎えることが難しい場合は、既存社員一人ひとりの生産性を高めることが必要となります。
本記事では、人材育成に求められる「インフォーマルラーニング」をテーマにご紹介いたします。
目次
1. インフォーマルラーニングとは?
インフォーマルラーニングという言葉を聞いたことがないという方もいるでしょう。
学習には大きく分けて「フォーマルラーニング」と今回紹介する「インフォーマルラーニング」があります。
フォーマルラーニングが研修やセミナーなどの「公式な学習」とすれば、インフォーマルラーニングは「非公式な学習」と直訳できます。
「非公式な学習」とはどういうものを指すのか?について、例えば、休憩中の同僚との雑談や、上司や先輩のやり方をマネてみたりなど、意図的に学習をしようとしているわけではなく自然に知識や経験を積んでいる状態のことを言います。
反対にフォーマルラーニングとは、学びの場として開催される研修やセミナーのことを言います。
2. 70:20:10の法則
米国のリーダーシップ研究の調査機関ロミンガー社の調査、分析結果によると、70:20:10の法則で人材は成長すると言われています。
社員の成長のために、研修会やセミナーの受講を促進している企業も多いかと思います。しかし、そういった「フォーマル」な学習から得られることは10%程度だと言われています。今回ご紹介した「インフォーマル」な学習によって得られることは70%と最も多くの割合を占めています。
研修やセミナーがほとんど意味がないの?と思ってしまう方もいるでしょう。しかし、研修の学びをしっかりと実践で使っていくことで、身につけることができます。そのため、インフォーマルラーニングorフォーマルラーニングとどちらかに絞るのではなく、両方を組み合わせて学習の機会を設けることで、効率良く社員の成長を見込むことができます。
3. インフォーマルラーニングのメリット
インフォーマルラーニングにはどのようなメリットがあるのでしょうか?3つご紹介します。
3-1 学習意欲の向上
フォーマルラーニングとなると、管理職や人事部が選択した研修を受講する場合がほとんどです。自ら学びたい内容かどうかに関わらず受講するため、研修後に実践で活かすことができない可能性が高まります。
その点、インフォーマルラーニングでは、自らが気になったことに対して、必要な情報を自主的に集めるので、身に付きやすくなります。
3-2 コスト削減
フォーマルラーニングである研修やセミナーは、受講料に加え、開催する会場を抑える場合には別途その費用が必要となります。社員数が多ければ多いほど、人材育成のためにかかるコストは高くなってしまいます。また、時間の拘束があるため、研修に充てている時間は本来の業務がストップしてしまうということもデメリットとして考えられます。そういった部分がインフォーマルラーニングであれば、解消されるというところもメリットと言えるでしょう。
3-3 社員間のコミュニケーションが増える
インフォーマルラーニングは、上司と部下や同僚同士のコミュニケーションが学びとなります。時には休憩中の雑談から偶発的に生まれる気づきもあるため、人間関係の構築やコミュニケーション力の向上にもつながります。どのようなポジションや業務でもコミュニケーション能力が高まることにデメリットはありません。
4.まとめ
本記事では、インフォーマルラーニングのメリットについてお伝えさせていただきました。しかし、メリットばかりではなく、フォーマルラーニングが全員平等に学ぶ機会があるのと比べ、インフォーマルラーニングは、能動的に学ぶ意欲がある社員とない社員の差が開いてしまいやすくなります。それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、二つの学習方法を組み合わせることが大切です。
会社としても社員同士のコミュニケーションの場となるイベントを開催するなど、インフォーマルラーニングの機会を増やすといいでしょう。