2022.04.27
経営ノウハウ

【売り上げアップ】今さら聞けないマーケティング
超・基礎の基礎

今や経営戦略に必要不可欠と言われる「マーケティング」。SEO対策、トレンドリサーチ、SNS分析…そんな言葉を耳にする機会も多いのではないでしょうか。
しかしながら「マーケティングとは?」の問いに対しては、「市場リサーチをして、データを集めて分析して…集客に繋げて…。」と、比較的漠然としたイメージが浮かぶという人が現在も少なくないかもしれません。
今回は敢えて「今さら聞けない」ような、マーケティングの基礎の基礎にスポットを当ててみたいと思います。

「マーケティング」の定義

平たい言い方をすれば、「マーケティング」とは「売れる活動・仕組み作り」だと言えるでしょう。「marketing」の単語の訳を調べてみると、「売買」「取引」「市場調査」といった意味が示されます。

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「marketing(マーケティング)」の定義は、例えば米国マーケティング協会では次のように、「価値ある製品を広めるための活動やそのプロセス」であるとされています。

 

顧客・クライアント・パートナー・および社会全体にとって価値のある製品を作成・伝達・提供・および交換するための、活動・一連の機関・およびプロセス(2017年に承認の定義)

ー米国マーケティング協会

参照:American Marketing Association

定義には諸説あり、各協会や書籍等の著者によって異なる表現が用いられています。

グローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である

ー日本マーケティング協会

社会活動のプロセスである。その中で個人やグループは、価値ある製品やサービスを作り出し、提供し、他者と自由に交換することによって必要なものや発するものを手に入れる

ーフィリップ・コトラー

参照:「マーケティング」のきほん(著:庭山 一郎)

歴史ーマーケティング界の巨匠たち

近代マーケティングは、1900年頃のアメリカで誕生し1950年代から急速に発達したとされていて、現代で使われているマーケティング理論等の根幹が、この時代の巨匠達による著書や論文によって築かれたと言われています。

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セオドア・レビット

セオドア・レビットは、1925年にドイツに生まれたアメリカ人経済学者です。元ハーバード・ビジネス・スクール名誉教授で、1960年に「マーケティング近視眼(近視眼的マーケティング)」という概念を発表しました。

レビットは自身の著書の中で「顧客がドリルを買うのは、ドリルが欲しいのではなくドリルで開けられた穴が欲しいからである。」といった内容の言葉を紹介しています。 企業が製品だけに着目すれば競合や環境の変化に淘汰されることは免れず、 生き残るために目を向けるべきは商品が提供するベネフィットであると主張しました。

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また、レビットは「企業の最重要資産は顧客との信頼関係である」とも主張していて、現代では当たり前になっている顧客データベース化の根本となる概念を広めた人物であるとも考えられています。

フィリップ・コトラー

フィリップ・コトラー は1931年に米国に生まれたアメリカ人経済学者です。「現代マーケティングの父」とも呼ばれており、マーケティング学者の名前を尋ねられた際には多くの人が答える人物です。

コトラーの著作は40冊を超えるといわれており、世界の経営大学院マーケティング教科書にも採用されています。

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コトラーの大きな功績の一つは「マーケティングを体系化したこと」と言われています。 理論やフレームワーク手法 などを整理して、現在のような体系化されたマーケティングの基礎を築いた人物であると考えられています。

まず最初に覚えるべきマーケティング手法とは

マーケティングについて調べてみると「コンテンツマーケティング」「メールマーケティング」「 Web マーケティング」「ファンマーケティング」…と、数え切れないほどの種類があり混乱するかもしれません。

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全種類を覚える必要はない

真剣にマーケティングを学ぼうと思う人ほど、全てのマーケティング手法を学ぶべきなのではないかと難しく感じてしまうでしょう。

しかし、マーケティングの定義や概念を踏まえると、重要なのは既存の手法一つ一つを覚えることではなくどの手法が適切なのかを見極める事だと言えるのではないでしょうか。

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セオドア・レビットの主張にもあるように 、もしも企業が近視眼的になれば経営は近い将来に致命的な困難に見舞われる可能性が高いという事は否定できないでしょう。注目すべきは「ドリルで空けた穴を何に使うのか」「なぜ〇〇ミリの穴を空けたいと思ったのか」であり、「ベネフィットの詳細」を追うのが重要です。

マーケティングの種類を選択する際も同様に「世にあるマーケティング手法」を闇雲に追わず、まずベネフィットを明確に理解した上で適切な手法を導き出す事がマーケティングの第一歩であると言えるでしょう。

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一歩目の先にある理論や手法に注目する

ベネフィットの詳細を明確にできれば、数え切れないほどのマーケティングの種類から必要なものがどれなのかが徐々に見えてくるのではないでしょうか。

「必ずしも、世にあるマーケティング手法の全てを学ぶ必要はない」というのは、例えばある植物の花を咲かせ実らせたい時に世界中の花の種類や全ての特性・育て方を学んでプロフェッショナルになる必要が無い事に近いかもしれません。
ただし、育てる対象の植物については正しい知識を学んで、特性に適した育て方をする必要があると言えるでしょう。

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「マーケティング」を販売するビジネス

世の中にはマーケティングの理論や手法そのものを販売するビジネスも存在しています。「◯ヶ月で〇〇人の集客に成功した!〇〇 マーケティングとは」などの売り文句は、集客や売り上げアップを真剣に考えたり悩んだりしている時ほど魅力的に聞こえるかもしれません。
しかし、目的にあったマーケティングを選択できていなければ、求める結果からはかえって遠ざかってしまうかもしれないという事を忘れてはならないでしょう。

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マーケティング=市場変化に淘汰されず、生き残ることを可能にする「概念」

今回は「そもそもマーケティングとは何なのか」というマーケティングの基礎の基礎を整理してみました。

その定義や歴史を見てみると、マーケティングとは決して手法そのものを差しているのではなく、市場の大きな変化の中で売れ続けるために必須の「概念」であると言えるかもしれません。

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実務担当者が具体的な理論や手法を習得する際にもマーケティングの根本の概念を忘れず学ぶことを徹底すると、期待する効果が得られるのではないでしょうか。