2022.01.13
コラム

【住宅業界】コロナ禍における「平屋」の可能性

「人生100年時代」のマイホーム選び。
ウィズコロナ、アフターコロナのこの時代に、
”後悔しない家の選び方”で迷う方は少なくありません。

そんな中、ちょっとしたブームとなっているのが、
「平屋の家」。

平屋のイメージといえば、「昔ながらの家」や「シニア向け」、「割高」だといった、
ネガティブなイメージをする方多いかと思います。

しかし、最近では若者を意識した、お洒落でデザイン性の高さを売りとする
新商品を続々と発売しているメーカーや工務店がたくさんあります。

(pixabay)

1.「平屋」とはどんな家を指す?

まず、「平屋」とはどんな家を指すかというと、1階建住宅のこと。
階段での上下移動がなく、ワンフロアに生活に必要な空間全てが収まっています。
構造に関しても2階建や3階建住宅に比べて、単純で耐震性や安全性の確保もしやすい
という特徴があります。

2.「平屋」の需要はどのぐらい増加しているのか?

国土交通省のデータによると、年間の新設住宅着工戸数は2015年には92万537戸だったものが、2020年には約81.5万戸まで減少しています。

居住用住宅のうち「平家」は、2015年では34600戸と
全体の7.9%ほどだったが、2020年には46334戸とシェアを11.2%まで高めています。

コロナの影響を受け、全体的な着工戸数は減少の一途を辿る中、平屋だけは順調にシェアを伸ばしています。

出典:国土交通省「建築着工統計調査」

3.なぜコロナ禍で「平屋」が再注目されているのか?

都市部で平屋を建てようと思うと、価格が高くなってしまうため、
土地の狭さをカバーするために二階建てを選択するというケースがほとんどです。

しかし、テレワークの増加に伴い、都市部から郊外への移住を検討する人が増えたことにより、平屋に必要な土地を抑えた価格で、確保しやすくなったことが大きな理由と考えられます。

また、テレワークやステイホームで在宅時間の増加に伴い、開放感がある点、
2階がないため、天井を高めに設定でき換気のしやすい点や、「家」と「外(庭)」を
シームレスにつなぐことで人気が集まっています。

(pixabay)

4.「平屋」の購入を検討する人はどんな人?

暮らしやすさ・将来性を考慮して家の購入を検討している
→年齢を重ね、介護が必要になったりした際も、生活の導線が全てワンフロアに納まっている平屋は階段を使っての上下の移動がないのがメリット。
ほかにも、実家が二階建てだったが、子どもが独立し夫婦二人の生活へとなった時に、
2階を使用していないケースを身近で経験してというパターンも…

子どもがいるファミリー世代
→リビングと子供部屋をつなげてつくることで、家事をしながら子どもを見守ることができ、親子のコミュニケーションを取りやすくなる。
2階建や3階建だと、小さい子どもが階段から落ちてしまうことを考慮して、平屋を検討する方も。

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5.どんな「平屋」が求められているか?

・昔のように広い土地がなくても、コンパクトな空間を有効活用できる。
・コロナ禍の影響もあり換気しやすく、掃除や家事が楽。
・キッチン、リビングダイニング、庭全てがシームレスな間取りにすることで、
外出しなくても、「外」を近くに感じることができる。
・テレワークの影響で在宅時間が長時間化していることもあり、テレワークスペースの確保
や、自身の趣味を楽しめる空間がある。
・・・などの意見があります。

(pixabay)

6.まとめ

いつ収束するか目処の立たないコロナ禍において、「平屋」のシェアは今後もどんどん伸びて行くのではないでしょうか。

土地の確保も大変で価格も高くつきそう…。なんとなく平屋はシニア層向けで若者は、2階建てや3階建が主流だというイメージがありました。
しかし今では、1,000万円ほどのローコストから建てることが可能で、モダンでスタイリッシュなデザインから若者世代に再び「平屋」ブームが来ています!
また、地震の多い日本での暮らしには、2階部分がなく重量の軽い「平屋」は安全性の面でもメリットがあると言えます。

なかなか、外出して楽しむことができないコロナ禍で、ウッドデッキやテラスを設置することで、外出せずとも開放感を楽しむことができ、バーベキューやちょっとしたキャンプ気分を味わえる「平屋」の生活は可能性が無限大です!