【人事部必見】優秀な社員が退職する!カウンターオファーは有効なのか?
優秀な社員が退職を申し出た時、あなたならどうしますか?
会社にとって、人材の流出は大きな損失になるため、給料アップや希望部署への配属など、引き留め交渉することもあるかもしれません。
本日は、カウンターオファーが有効なケースや、行う際のリスク、実際の成功率など解説していきます。
目次
カウンターオファーとは?
カウンターオファーとは、退職を希望する社員に対し行われる退職交渉のことを指します。
一般的には、現状より高い給与の提示をすることが多く、それ以外では、昇進や職場環境の改善を行うことを条件に、退職を思い留まるように促します。
カウンターオファーの実態
では、実際にカウンターオファーの有効性はどのぐらいあるのでしょうか?
カウンターオファーの成功率
退職を申し出た社員は、すでに心が離れてしまっていることも多く、良い条件を提示しても辞退することが多い傾向にあります。
人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社が行ったアンケート調査によると、
カウンターオファーの成功率は20%前後にとどまることがわかりました。
社員が退職を留まるおおよその成功確率を聞いたアンケート
参考)『エン 人事のミカタ』企業を対象に「カウンターオファー」に関するアンケート調査
カウンターオファーを受けた社員の定着率
また、Eclipse社が行った「すべての採用担当者が知る必要のある7つのカウンターオファー統計」の調査によると、カウンターオファーを受け入れ退職を踏みとどまったとしても、その後半年間の定着率で見た場合、結局80%が辞めてしまうというデータがあります。1年後になると、90%は退職しています。
せっかく、引き留めれたと思っていても、表面上の条件だけの提示で根本の問題が解決できていない場合に関しては、カウンターオファーは無意味であるということが分かります。
カウンターオファーが引き起こすリスク
カウンターオファーを行うことで、引き起こされるリスクは想像以上かもしれません。
今から、ご紹介するリスクと、有効性を天秤にかけて慎重に進めていきましょう。
周りの社員の士気が下がる
一番のリスクが、周りの社員への影響です。良い条件を提示して、退職希望の社員の引き留めに成功しても、「あいつだけ給料が上がってずるい」「私だって希望の部署に行きたいのに我慢してる」など不公平感が生まれます。こうした不公平感はチーム全体の士気を下げることにもつながり、自分も辞めると言えば給料が上がるかもしれないと考える社員が一定数現れ、収集がつかなくなる場合があります。
その場しのぎ
カウンターオファーは、先述のとおり定着率が良いとは言えないため、長期的な解決法ではないと言えます。
新しい人材を採用するまで、など期限付きで考えているのであれば問題ないかもしれませんが、優秀な社員に辞めてほしくないのであれば、普段から正当な評価やキャリアパスを示すべきです。
信頼関係
カウンターオファーを行うことで信頼を失うことがあります。退職を伝えた途端に、給料が上がれば、社員は「今まではやっぱり正当に評価されていなかったんだ」と思う可能性があります。
また、会社側としても、一度辞めようとした社員だという気持ちが残ってしまい、大事な仕事を任せることに躊躇してしまうという意見もあります。
お互いの信頼関係が崩れてしまうという最悪な状況も想定しておかなければなりません。
カウンターオファーが有効なケース
ここまで、有効性の低さやリスクについてお伝えさせていただきました。
カウンターオファーしてもあまり意味がないのではないかと思われた方も多いかもしれません。
しかし、待遇面(給与やポジション)だけが不満で退職を申し出ている場合には、有効な手段と言えます。
まずは、対象社員がなぜ退職を希望しているのか、会社として、改善できる点なのかどうかを分析しましょう。
まとめ
優秀な人材の流出を防ぐためには、日頃から社員の変化に気づくことが大切です。
カウンターオファーを成功させることより、辞めたくならない会社づくりを心がけ、社員の心が完全に離れてしまう前に対処することが結果として、会社の発展への近道となります。