高まるリノベーション需要の背景には何があるのか?
近年、リノベーションの需要が急激に伸びています。
その背景には、一体何があるのか…
リフォーム事業はすでに競争が激化しているため、新規参入は厳しいのではないかと
いうお声も少なくありません。
しかし、戸建ての施工力を活かしたリノベーションで成功している会社もあります。
本日は、リフォーム・リノベーションの市場の拡大はどこまで伸びるのかという情報とともにお伝えいたします!
目次
1.リフォーム市場の現状
株式会社矢野経済研究所の調べによると、2021年第1四半期(1~3月)の住宅リフォーム市場規模は1兆5,074億円(速報値)、前年同期比で12.4%増としている。
まだ、収束の見通しが立たない新型コロナウイルスの影響もあり、依然として
リフォームニーズが活性化していることが見受けられます。
引用:矢野経済研究所
2.なぜ、需要が高まっているのか?
2-1 新型コロナウイルスの影響
リモートワークで「おうち時間」が増えたことにより、より快適な住まい作りを
求める人が多くなるのは、当然のことです。
今までの、老朽化した場所を改善する「リフォーム」よりも、コロナ禍の現代では、
”仕事とプライベートが両立できる家”や”換気のしやすい間取り”といった、
「リノベーション」がより人気となっています。
また、コロナの影響で、仕事や収入に不安のある消費者が増加したのをきっかけに、
今、家を買うべきなのかと住宅購入に踏み切れない方も多くいます。
そんな中で、新築より低予算で、高スペックの住宅に住めるということで、
徐々に注目が集まっています。
(pixabay)
2-2 「新築」より「中古」派の増加
国土交通省の調べによると、住宅着工棟数は19ヶ月連続の減少となっています。
コロナの影響で、今家を買っていいのか?と悩む人や、ウッドショックの影響で
建築資材の世界的な高騰により、新築一戸建ての価格が引き上がっていることが原因で、
「中古住宅」に注目が集まっています。
今までの”家を買うなら新築”という認識も薄れ、リノベーション前提で、中古住宅を
購入する若い世代も増えています。
新築住宅を購入する予算はないけれど、デザイン性の高い家に住みたいという、
潜在顧客層のニーズとマッチしていると言えます。
この「中古派」を後押ししている理由の一つに、日本のリノベーション技術の高さが
あります。世界的に見ても、日本のリノベーション技術の高さは注目されています。
(pixabay)
2-3 国のバックアップ
国土交通省が2012年に発表した、「中古住宅・リフォームトータルプラン」も
リフォーム・リノベーション市場の需要が拡大した理由の一つです。
どういった施策かというと、今までの新築住宅メインの市場から、中古住宅の流通を
推進するものです。
「中古住宅」や「リノベーション」となると新築よりも不安が大きくなるので、
安心して消費者が購入できるようにするものです。
2-4 リフォーム・リノベーションのメイン顧客層の増加
リフォーム・リノベーションを検討しているメイン顧客層は40代〜60代と言われています。団塊ジュニア世代が50代を迎えることで2030年ごろには、約150万世帯の増加が見込まれています。
今後は、若者世代にもリノベーションが定番化するとも言われ、需要はさらに増加することが期待できるでしょう。
3.リノベーション事業成功例
表面部分のみを綺麗にしたり、水回りを中心にするリフォーム事業に取り組んでいる
企業はとても多いです。ライバルが多く、今から参入しても厳しい世界かもしれません。
成功した企業の例を見てみると、中古住宅の耐震性の低さや、断熱性の低さに着目し、
表層部分のみではなく、リノベーションで耐震性や断熱性という基本性能から高めて、
「長く住める中古住宅」を提供することで、他社と差別化することに成功した事例があります。
これは、新築戸建てをメイン事業としている企業だからこその施工力で実現した事例でしょう。
4.まとめ
今までは、「家を買うなら新築」という風潮が根強かった日本ですが、
近年「リノベーション前提の中古住宅の購入」というように、住宅を購入する際の選択の幅も広がっています。
その背景には、新型コロナウイルの影響や、省エネ住宅に対する関心の高まり、国としての中古住宅へのバックアップ体制など、さまざまな理由があります。
また、今後は全くの異業種がリノベーション事業の拡大に注目し、次々と参入してくることが考えらます。さらに質の高い日本のリノベーション技術で、海外進出する企業も増加しますます活性化することが予想されています。