これからの管理職3つの人材要件 VUCA時代に必要なリーダーとは
目次
管理職とは
管理職とは一般的に、職場において従業員を導いて会社や組織の運営に関わる立場のことを指します。
これからの管理職に必要な能力①現代のリーダーシップ
リーダーシップとはリーダーとしてメンバーを導く能力全般の意味で使われている言葉です。
管理職に求められる能力の中でも最も代表的と言えるリーダーシップですが、時代の変化に伴って人々の間のリーダーシップ に対する価値観も大きく変化します。
昔のリーダーシップ
昔、リーダーに一番求められていたのはパワー・エネルギーだと言えるかもしれません。
経験が豊富で過去に大きな実績を持つ人物が、力強い言葉や振る舞いで部下をやや強引にでも引っ張り、多少の無理難題でも部下が思わずイエスと答えるような圧倒的なパワーを持つイメージがあったようです。
高度経済成長期の日本では、アニメのジャンルで「スポーツ根性もの」(所謂、スポ根)が一般大衆の人気を獲得しており、「人並み外れた苦労を、気合・根性・情熱で乗り越える」といった美学が浸透していた時代である事なども少なからず影響しているかもしれません。
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今の時代のリーダーシップ
今の時代は「VUCA(ブカ)」と言われています。VUCAとは、端的に言えば「将来の予測が困難であること」です。
Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)のそれぞれの頭文字を取った言葉で、元々は軍事用語でしたが現在位はビジネス用語として一般的になっています。
VUCA時代では経験則・成功体験が一筋縄では活かせないと言われています。
この時代の変化に伴って、人々のリーダーシップに対する認識・イメージは「過去の実績や経験に裏付けされた権力的なパワーを持っていること」ではなく、「圧倒的に周囲の協力を得られるような高い信頼力を持つこと」に変わったと言われています。
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これからの管理職に必要な能力②先見の明
VUCA時代の管理職には「先見の明」が欠かせません。
いつの時代も変化はあるものですが、現代では情報処理・伝達技術の進歩の影響もありそのスピードが増していると言われています。成功のノウハウも目まぐるしく変化するため、先見の明を持っていないとリーダー的な立場を務めることは難しい可能性が考えられるのです。
将来を見通す力を鍛えるというのは抽象的なイメージを持たれるかもしれませんが、日常的に新旧どちらの情報にも触れる習慣を持つことで改善が期待できます。
昔から現代まで多くの人の心を動かしている有名な著書や思考法、一方で新刊や最新のニュース ・トレンドにも継続して触れるようにすると良いでしょう。その積み重ねが例えばある一つの情報に対する検証の奥深さを変え、アイディアや戦略の的確性アップに繋がります。
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これからの管理職に必要な能力③傾聴力
人間同士のコミュニケーションにおいて高い信頼を得られるとされているのが「傾聴(けいちょう)」です。傾聴はアメリカの心理学者であるカール・ロジャーズによって提唱されたコミュニケーション技法で、相手の話に対して共感的な理解を示すコミュニケーションです。近年は書籍やネットコラム等でも多く取り上げられセミナーも多く開催されています。
信頼力が必要とされるこれからの時代の管理職には必須のスキルと言っても過言ではないかもしれません。
しかし、「相手の話に共感を示す」と言っても、実は傾聴は意外と奥深く一定の知識と練習を必要とします。溢れる情報を自分なりに収集した結果「オウム返しと同じ」「相手の話をひたすら黙って聞き、時々繰り返す」といった誤った認識に至っている人も少なくないため、学習方法には注意が必要です。
傾聴を学ぶ際には、できれば本家カール・ロジャーズが提唱している内容を根拠としている事が分かる信頼性の高い情報を選ぶようにしましょう。
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まとめ
管理職に必要な能力・スキルは昔と比べて大きく変化しています。
周囲の様々な変化をキャッチしてスピーディに反応する力や、メンバーを動かせるだけの信頼される力が必要です。
上の世代と下の世代の中間の立場にある管理職なら、かつての時代の価値観を否定ではなく尊重することも重要でしょう。時代を意識すると言ってもわざわざ上司の反感を買う必要はありません。”古きを温めて新しきを知る”姿勢に加えてVUCA時代にあったリーダーシップ を発揮していく柔軟さも大切です。
管理職は、職場の全ての人が一丸となって目標達成に向かえるために非常に重要な役割です。大切な立場に誇りを持って、時代にあった姿でその役目を果たしていきましょう。