メガバンク住宅ローン金利引き上げ時に急増する「購入者からの問い合わせ」は?
2022年5月に適用する住宅ローン金利では、三菱UFJ銀行など国内大手銀行の固定型10年の金利が4月水準から引き上げとなりました。
住宅ローン金利上昇のニュースによって、購入者からの問い合わせに影響が出ていると言います。
目次
住宅ローン金利タイプは3種類
住宅ローンには大きく固定金利、固定金利期間選択型、変動金利の3つの金利タイプがあります。
また、異なる金利タイプを組み合わせて利用することも可能です。
3つの金利タイプの特徴を見てみましょう。
・固定金利
返済期間が終わるまで金利が変わらない(返済額が確定している)
・固定金利期間選択型
最初の10年など一定期間の金利が固定される(固定期間終了後の返済額に上限設定は無し)
・変動金利
金利情勢に応じて半年毎に金利が見直される(見直し後の返済額は最大でも従前1.25倍以内)
今回メガバンクで上昇したと話題に上がっているのは「固定金利期間選択型」の金利についてです。
「固定金利期間選択型」の住宅ローン金利は、ここ最近で上昇傾向が続いています。
顧客からの問い合わせが急増
住宅ローン金利の影響で、住宅ローンを検討中もしくは返済中の購入者から金利に関する問い合わせが急増していると言いますが、例えばどのような問い合わせがあるのでしょうか。
(pixabay)
借り換えの検討
まず挙げられるのは、変動金利で住宅ローンを組んだものの将来の金利上昇を不安に感じた購入者からの固定金利への借り換えについての問い合わせです。
総返済額の削減
借り換えによって金利が低くなり総返済額が削減できるのは、購入者にとって最も分かりやすく大きなメリットと言えるでしょう。
借り換えには費用がかかりますが、多くの場合にはローンの残り期間が10年以上、残高が1000万円以上、金利差が1%以上あると削減できる支払い利息の額が借り換え費用を上回り、メリットが出ると言われています。
(pixabay)
保証を充実させられる可能性
新しい団体信用生命保険は保障内容が充実する傾向にあり、借り換え時に新しく加入する団体信用生命保険で保障を充実させられる可能性があります。
保険の保障範囲を拡大する場合に借入金利が上乗せとなる場合等があるため注意が必要ですが、保証が充実するメリットと合わせて検討する価値があると言えます。
(pixabay)
リフォーム資金
住宅ローンの借り換えをする際にリフォーム資金と合わせた借り入れができる場合があります。
低金利・長期間の返済プランでリノベーション(リフォーム)・増改築の資金の融資が可能となれば、購入者にとっては大きなメリットとなる場合があります。
(pixabay)
おすすめの銀行が知りたい
物件購入者にとって、住宅ローンを利用する際の銀行の選び方は大きな悩みのひとつでしょう。
最近の住宅ローン金利の動向に敏感になっている購入者から「おすすめの銀行を教えて欲しい」といった問い合わせが入るのは自然な流れと言えるかもしれません。
(pixabay)
銀行によって得意とする金利プランや繰上返済手数料等が異なるため、ベストな選択は購入者が求めるものによって変わってきます。
各銀行の住宅ローン適用金利の比較例
変動金利 | 固定金利期間選択型 | 固定金利 | |
---|---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 0.475%~ | 1.04%~(固定10年) | 1.35%~ |
三井住友銀行 | 0.475%~ | 1.50%~(固定10年) | 1.76%~ |
みずほ銀行 | 0.375%~ | 0.95%~(固定10年) | 1.39%~ |
※2022年5月に新規借入の場合
(RFCパートナーズ)
店頭金利と適用金利
5月に適用する住宅ローン金利について、例えば三菱UFJ銀行では10年間金利が固定されるタイプの「基準金利」を0.15ポイント引き上げて、3.69%にすることを発表しました。
さきほどの表の数字は「適用金利」を示しています。
「適用金利」とは割引や優遇が適用された後の数字で、ウェブサイトやパンフレット等で住宅ローンの情報を見ると「店頭金利から最大▲1.5%」「適用金利は〇%」といった言葉を目にします。
このように「店頭(基準)金利」と「適用金利」があるため、住宅ローンを検討する際にどの金利をチェックすれば良いのか戸惑う人もいるかもしれません。
(pixabay)
・店頭(基準)金利
「定価」のような、金融機関が元々設定している金利のこと。
・適用金利
「店頭(基準)金利」に割引や優遇が適用された後の、実際に適用される金利のこと。
変動金利や固定金利期間選択型の住宅ローンを組む場合には、途中で店頭金利や金利優遇幅が変わる可能性があるので注意が必要です。
また、民間の住宅ローンでは一般的に契約月ではなく、実行する月の金利が適用されます。そのため、固定金利の利用にはその点を踏まえた検討が必要です。
(pixabay)
住宅ローン見直しのニーズ
住宅ローン金利の変化を受けて金利に敏感な購入者が増加し、住宅ローン見直しのニーズが高まっています。
変動金利の住宅ローンを利用する中で金利変動に対して不安を感じた購入者に対して、借り換えに関するメリット・注意点を伝えられたり、新規購入者のプラン選択の悩みを解決できれば、購入者が思い描く住まいの未来が今よりも鮮明に明るく変化するかもしれません。