2022.05.12
建築業界動向

ウッドショックに続き、長引く「半導体不足」2022年工務店が乗り越えるためには?

私たちが生活していく上で、必要不可欠な「半導体」

スマートフォンやパソコン、照明器具や自動車など、半導体が使用できなくなった場合、
今までのような生活が出来なくなってしまうことは誰しも容易に想像できますよね。

2021年の上半期から現在まで続く半導体不足ですが、住宅業界に与えている影響を含め、
いつまで続くのか今後の見通しについて解説します。

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半導体不足の理由

そもそも半導体不足はなぜ起きたのでしょうか?半導体工場での火災などのアクシデントもありましたが、大きく分けて4つご紹介します。

コロナの影響

コロナの感染拡大により、テレワークや外出自粛が余儀なくされたことで、半導体を使用するパソコンや家電の需要が高まり、深刻な半導体不足につながりました。

また、半導体の部品が輸出先の港で停滞することも原因の一つになっています。
仕分けなど機械ではなく人の手で行う作業が密となり出来なくなったり、流通が混乱していたことなどが理由となります。

台湾の干ばつ問題

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シェア率21.4%でトップを誇る半導体大国の台湾では、2021年に少雨により56年ぶりとなる干ばつに襲われています。
半導体の製造過程では大量の水が必要になります。
台湾が誇る世界最大の専業半導体ファンドリーである「TMSC」だけでも1日15万6000トンの水を使用しています。

水不足の状態では半導体の生産に支障をきたし、生産量を十分に確保することができません。

マイニング需要

暗号通貨(仮想通貨)の高騰による、マイニング需要が高まり、結果半導体不足につながっているということが言えます。
つまり、仮想通貨を手に入れるために適しているパソコンの部品(マイニングに特化した専⽤半導体)の需要が高まったことで、半導体不足に影響を与えています。

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アメリカにより中国への経済制裁

半導体不足の原因は需要の急増だけではありません。
アメリカ政府による中国企業への制裁措置が、半導体不足に拍車をかける結果となっています。

住宅業界に与える影響とは?

半導体不足によって、さまざまな業界が影響を受けています。

住宅業界においては給湯器やウォシュレット、ダウンライトなどの照明器具が納期遅延や納期未定です。
このまま納期遅延が続くと、家は完成しているけれど、残代金が回収できないという状況に陥るため、キャッシュフローが回らないなど深刻な影響を受ける工務店もでてくるでしょう。

また、住宅設備だけでなく、ウクライナ情勢によってアルミ・ニッケルなどの金属資材にも影響が予想されるため、顧客がハードルの高い新築を諦め、すぐに手に入る中古物件へと流れることも可能性としてはあるでしょう。

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半導体不足を乗り越えるために

半導体不足、ウッドショックによる木材高騰など住宅業界にとっては、2022年は非常に苦しい年かもしれません。
この危機を乗り越えるために、対策を講じる必要があります。

住宅以外の軸を持つ

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住宅、住宅設備以外のサービスの提案ができる軸を新たに探すことが必要かもしれません。
具体的には、「工場や施設の改修事業」に取り組んでいる企業様もいるようです。
多角化に成功すれば、住宅市場以外からの収益源を得られ、リスク分散の効果もあります。

しかし、OB顧客を入口とするような関連性の高い、「リフォーム事業」などと比較した際に、新しい分野への挑戦は、軌道に乗るまでの時間も多くかかるでしょう。
焦って、手当たり次第取り組むことは避けたいところですが、早めに新たなサービスやターゲットの選定を行いましょう。

半導体不足が解消された後にも継続できる施策

半導体不足やウッドショックはすぐにではないにしろ、いつかは解消されるはずです。
そうなった際に、住宅事業が安定し忙しくなっても新事業と両立しなければなりません。両立できるサービスなのかどうか?を念頭においてスタートさせることが非常に重要です。

今後の見通し

半導体不足は長期的な課題となることは間違いありません。コロナが終息すれば半導体不足も解決するのではないか?と見立てもありますが、半導体は影響のある業界が多岐に渡っていることや、原因がコロナ以外にも複数あるため、需要と供給のバランスが取れるまでには、時間を要することになるでしょう。

具体的には、2022年の年末頃には、不足がやわらぐ見通しを発表している企業もありますが、解消となると2023年の下期になるのではないかと予想されています。