【採用・教育担当必見】中小・ベンチャー企業も陥る「大企業病の実態」とは?
「大企業病」という言葉を聞いたことはありますか?
「大手病」なんて言い換えられたりもするぐらいなので、大企業に勤めている社員にしか当てはまらないだろう。うちの会社は中小企業だから関係ない、と思っている経営者や人事の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、中小・ベンチャー企業でも社風やによっては従業員数にかかわらず、起こり得る問題です。
本記事では、大企業病とはどのような症状か?原因は?改善策はあるの?について解説します。
目次
1.大企業病の定義とは
そもそも大企業病とは何を指すのでしょうか?
明確な定義があるわけではなく、保守的な企業風土や、非効率的な企業体質のことを言います。
大企業病という名前ですが、従業員数や企業規模はあまり関係ありません。
しかし、組織が大きくなればなるほど、意思決定に時間がかかったり、業務が細分化され不要な仕事を生み出したりするなど、企業全体が高コスト体質となることなどから、大企業に多く見られる症状であるため「大企業病」と呼ばれるようになりました。
2.大企業病の症状
「大企業病」と言われる症状にはどのようなものがあるのでしょうか?
2-1.保守的になる
従業員数が増えるにつれて、ルールやマニュアルに沿って業務をこなすようになります。マニュアルは、それさえ読めば誰もが同じクォリティで業務をこなすことができるとても素晴らしいものです。しかし、ルールやマニュアルに固執してしまうと、従来のやり方以外の方法にチャレンジすることができなくなります。
会社全体が、失敗を嫌い安定を好む企業風土になる傾向があります。
2-2.生産性が下がる
大企業病の特徴で多いのが、生産性の低下です。稟議を通すのに何人もの上司を通す必要があったり、会議のための会議を行うなど、形式主義になっている場合があります。また、業務が細分化されることにより、部門間での垣根が高く意思決定に時間を要すること生産性の低下へと繋がっています。
2-3.内向きな思考
仕事のベクトルが、顧客ではなく上層部へと向いてしまうのも大企業病の症状の一つです。事業本来の目的を見失い、社内政治や自分の出世を優先するため、顧客のニーズを無視し、社内の都合だけで仕事をする状態となります。顧客に向いていなければ、ゆくゆくは、経営自体が危ぶまれる可能性も高く、即改善すべき症状でしょう。
2-4.正当な評価が受けれない
革命的な提案をする者より、指示に従い無難に仕事をこなす者に方が、評価をされる企業風土である場合、無能な社員であっても、勤続年数が長いという理由だけで高い給料をもらうことになります。
そうなれば当然、有能な社員は納得いかず離職してしまいます。評価制度の見直しを行わない限り、社員のモチベーションは下がり続けることになります。
3.大企業病に陥る原因
大企業病を引き起こす原因はさまざまです。従業員数が多くないからと言って、油断できません。
3-1.業績が安定している
スタートアップや、ベンチャー企業では、事業を成功させるために、どんどん新しいことにチャレンジすることが当たり前です。
しかし、業績が安定している会社の場合は、わざわざリスクを背負って新しいことにチャレンジすることを嫌い、大企業病によく見られる安定思考になりがちです。
3-2.ルールやマニュアルが多い
ルールやマニュアルで縛り、マニュアル以外の対応をすることは良くないという社風であれば、社員一人ひとりの考える力を奪い、思考を停止させてしまいます。
自由さがなく、窮屈な組織風土は社員のモチベーションを低下させます。
4.対策はあるの?
大企業病の症状と原因について、ご紹介しましたが、そうならないようにするために、どんな対策をとるべきなのでしょうか?
まずは、「無駄なルールの排除」や「チャレンジを評価する仕組みづくり」など取り組める対策はあります。
また、大企業病はコミュニケーション不足も関係しているため、部門間の壁を超えて連携を取れるような、コミュニケーションツールや社内の雰囲気があるといいでしょう。
5.まとめ
大企業病を放置していると、社員のモチベーションは落ち、優秀な社員は見切りをつけ離職してしまうでしょう。
顧客ではなく、社内を向いて仕事をしていると感じることがあれば早急な対応が求められます。